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2009.11.07 Sat 長門「朝倉涼子を孕ませてほしい……」


4 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/31(土) 18:33:26.13 ID:TZkzA673O
前スレ
ttp://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256494086/



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 18:40:37.51 ID:TZkzA673O
………

……



二人は、真っ白な空間を並んで歩いていた。

鶴屋「いやー。瞬間移動だなんて、本当に便利な能力だねぽんじっち!
そろそろ髪が金色になったり、手のひらから気功波も出せるようになるんじゃないかなっ!?」

藤原「ふん、九曜の能力を利用しているだけだ。この空間もな」

鶴屋「まるでそのまんま精神と時の部屋っ!だけど居るのはドクターゲロみたいなっ!?」

藤原「精神……ドクターゲロ……なんだそれは?」

鶴屋「ぽんじっちは男の子なのにDBを知らないのかいっ!?」


藤原「何故そんなに驚く」

鶴屋「遥か未来でも、愛読されていると信じていたにょろ……これは、鶴屋家が全力で後世に残す努力をしなければいけないにょろ」

藤原「さっきから何が言いたいんだ君は……」

鶴屋「うーん……くーたんの力を利用しても、やっぱりお仲間達には敵わないのかい?」

藤原「ふん、無駄な労力をなるべく避けたいだけさ……だから存在しないはずの朝倉涼子を利用する」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 18:49:53.43 ID:TZkzA673O


鶴屋「りょこにゃんを利用して終わったら、どうするつもりにょろ?」

藤原「ふっくっく……勿論、僕の物にするのさ」

鶴屋「にゃはは♪谷口かわいそ、かわいそなのですっ!」

藤原「…………にぱー……」

鶴屋「……何でDB知らなくて、それを知ってるっさ!?」

藤原「……ふん、別にどうだって良いだろう」

藤原は、小さな建造物の前に立ち止まって扉に手をかけた。

二人が向かっていたのは、この小さな研究施設。
真っ白な空間には、まるで四角い箱のようなこの小さな研究施設しか存在していない。

藤原「それではようこそ、次期鶴屋家当主殿。僕の研究施設へ──」

藤原は、少し演技じみた動作と歪な笑みを浮かべて扉を開いた。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 18:53:23.50 ID:TZkzA673O


研究施設の奥へと二人は進んでいく。

鶴屋「いつもながら、凄い設備だねーぽんじっち」

藤原「ふん、涼宮ハルヒの能力を完全に解析するには、これでも足りないぐらいだ」

鶴屋「谷口やりょこにゃんにしてた話も、半分は本当だもんね」

藤原「半分はな……ふっくっく、ここで涼宮ハルヒの肉体と能力を一時的に凍結。そして……」

鶴屋「僕は新世界の神となるっ!?」

藤原「……何だそれは」

鶴屋「……ぽんじっちはジャンプ系に疎いにょろ……ハルにゃんの力を手に入れるんなら、それと似たようなもんっさ」

藤原「ふん……そう解釈しても構わん……僕が望んでいるのは、神とはまた違うのだがな……」

そう呟きながら、藤原は研究施設の一番奥にある部屋の扉を開く。



大きな匣

その部屋には、三つの大きな匣が均等に並べられていた。

匣の中には、それぞれ三人の四肢の無い少女がぴっつりと入っている。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:01:32.98 ID:TZkzA673O


鶴屋「やっほーいっ♪
ささにゃん、くーたん、きょこたん、みんな元気にしてたかなっ!?」

佐々木「殺して……はやく殺して……」

鶴屋「ささにゃんはいっつもこれしか言わないねー。ま、それはそれで良いんだけどさっ!」

佐々木「はやく……殺して……殺して……」

鶴屋「……にゃはっ♪ささにゃん、良い事教えてあげるにょろ。この前えっちいな事しながら、写真やビデオ撮ったの覚えてるかなっ?」

佐々木「お願い……はやく私を殺して……」

鶴屋「……あれ、全部キョン君に見せちゃったにょろ」

佐々木「いっ……いやあああああああああああああああああっ!?
もう殺してっ!?殺してぇっ!?うああっ!?
お願いいっ!!お願いだから誰かはやく私を殺してえええぇぇっ!!」

鶴屋「あっはっはっ!冗談にょろっ!
びっくりさせちゃったねぇ!?ごめんねぇ、ささにゃんっ!」

佐々木「ああっ、あっ……ううっ……うああっ……」

鶴屋「あーあ、ささにゃん泣いちゃったにょろ。にゃはは♪」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:10:32.88 ID:TZkzA673O


鶴屋「くーたんは元気かな?」

九曜「元──気──」

鶴屋「うんうん。くーたんが一番聞き分けが良いっさ!」

藤原「ふっくっく、洗脳状態にあるからな」

鶴屋「……そこの短針銃かい?」

藤原「……驚いたな。何故君がそれを知っている?」

鶴屋「にゃはは♪かまをかけただけにょろ。まぁ直感的にそう思っただけっさ!」

藤原「ふん……成る程、確かに鶴屋家の一族は代々鋭い直感力に長けていたな……それは一種の予知能力と言っても過言では無い」

鶴屋「で、どう使うのかなっ?」

藤原「禁、則」

鶴屋「けちけちさんだねーぽんじっちは」

九曜「けち──けち──さん──?」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:13:13.64 ID:TZkzA673O


藤原「知ったところで、君がこれを使う事は無いだろう?ならば無意味だ」

鶴屋「そんなのわかんないっさ?何故なら、試すのはくーたんに決めたにょろ。
今夜はくーたんに思いっきり試すから、もしそれで洗脳が解けたりでもしたらどうするんだいっ?」

藤原「ふっくっく、今日も九曜か。君は本当に九曜が好きなんだな」

鶴屋「しょうがないっさ!ささにゃんはあんなんだし、きょこたんは……」


橘「……はやく……はやくぅ……」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:25:22.27 ID:TZkzA673O


藤原「ふっくっく、どうした橘京子?」

橘「はやく……はやくおちんぽくださいなのですっ!?
藤原くんのおちんぽはやくぅ!?」

鶴屋「ぽんじっちに、ぞっこんにょろ」

橘「ああっ!?はやくぅ!?ずっと我慢してたのですっ!
京子はいっぱい我慢してたのですっ!でも、もうらめえっ!?
ほしいのっ!?ふじわらくんのおちんぽほしいのぉ!?」

藤原「どこに欲しいんだ橘京子?」


橘「おまんこぉ!きょうこのおまんこにっ!
きょうこのいやしいおまんこにひぃっ!?
くださいっ!くださいなのれすっ!?ふじわらくんのおちんぽぉ!
はやくきょうこのいやしいおまんこにくらひゃいなのれすぅっ!!」

鶴屋「きょこたん、おちんぽなら私にもあるにょろよ?」

橘「ふああっ!?」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:29:41.95 ID:TZkzA673O

藤原「……おい」

鶴屋「いやんっ!?恥ずかしいにょろっ!?あんまり見ないでぽんじっち!?」

藤原「見せ付けるようにしておいて、何を言っているんだ君は……」

橘「あっ……ああっ……おちんぽ……鶴屋さんにもおちんぽがっ!?」

鶴屋「にゃはっ♪きょこたん、どうにょろ?」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:31:13.34 ID:TZkzA673O

橘「きょ、きょうこのいやしいおまんこはふじわらくんせんようなのれすぅ。
れも、れもこんなおっきなちゅるやおちんぽぉ……」

橘京子は、チラリと藤原を見た。

藤原「ふっくっく、橘京子。僕の事は気にしなくて良いぞ」

橘「……りょ」

鶴屋「りょ?」

橘「りょうほうっ!りょうほうくらひゃいなのれすっ!?
ふじわらくんのおちんぽはおまんこにぃ!ちゅるやにゃんのおっきいおちんぽはおしりにはめてぇ!?しょうれす!これがいちばんらのれひゅっ!?
ふたりできょうこをいじゅめりゅりょれしゅぅ!?きょこのぉ!きょこのおまむことおひりをふらりれおきゅまれいじゅめれくらひゃいらろれひゅぅ!?」

鶴屋「欲張りさんだねーきょこたんは」

九曜「欲──張り──さん──?」

藤原「ふん、どうするのだ?僕は構わないが……」

鶴屋「うーん、やっぱり最初はくーたんにょろ!
筆下ろしが宇宙からの使者なんて、一度しか体験出来ないっさ!」

橘「ひあうあっ!?じゃあっ!じゃあちゅぎはわらしらろれひゅ!?しゅおうきゅようのちゅぎはわらしっ!わらひったちばにゃきょこにちゅるやおちんぽぉ!?」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:33:48.11 ID:TZkzA673O
鶴屋「……ぽんじっち、きょこたんに早くしてあげたほうがいいと思うにょろ。さっきから大変な事になってるにょろ」

藤原「ふっくっく、もう暫く我慢させたかっのだが……まぁ頃合いか」

鶴屋「じゃあ、くーたんは私が連れてくにょろ」

藤原「ああ、あちらの寝室を使うがいい」

鶴屋「……あ、思い出したにょろ。それ、教えて欲しいっさ!?」

藤原「……ふん、その可能性は皆無だがな……持っていくがいい。何かあったら、九曜に向かって撃つだけでいい」

鶴屋「さんきゅーぽんじっち!こう見えて、心配性なのさ!
初めてだから安心したいのっ!でも優しく無いみたいなっ!にゃはっ!?」

藤原「ふん……」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:37:25.25 ID:TZkzA673O
………

……



鶴屋「みゃはあっ!?またいっちゃうにょろっ!くーたんっ!?」

九曜「あはっ──あっ──」

鶴屋「でるぅ!?みるくっ!みるくびゅーびゅーでるにょろぉっ!?」

九曜「おちんぽ──みるく──あっ──なかに──」

鶴屋「んみゃあっ!?」

九曜「ひうっ──みゅ──ん──」



鶴屋「はぁ……んっ……結局、一晩中やってしまったにょろ……くーたん、くーたん起きるっさ」

九曜「ふ──みゅ──?」

鶴屋「……そろそろ決行するにょろ」

九曜「──わか──った──」

鶴屋「……にゃはっ♪」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:49:03.83 ID:TZkzA673O
………

……



藤原「……涼宮ハルヒの時空改変能力が、僕の本来の時間平面よりも遥か先の物による産物だと仮定すると……」

コンコンッ

藤原「……開いている。気にせずに入りたまえ」

鶴屋「いやーっ!ついつい一晩中も試しちゃったにょろっ!」

藤原「ふん……僕も先程終えたばかりだ」

橘「んっ……せいしぃ……藤原くんのおちんぽせいしぃ……京子にいっぱぁい……」

鶴屋「それにしても精が出るねーえっちも研究も?にゃはっ♪」

藤原「……九曜を置いたら、少し向こうで休むがいい。暫くしたら送る」

鶴屋「邪魔してごめんねぽんじっち。でも、それ多分間違っているにょろ」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:54:09.83 ID:TZkzA673O


藤原「む……それは君の直感か?」

鶴屋「そうにょろ。何が書いてあるのか、ほとんどわかんないけどさっ!?」

藤原「ふむ……君がそう言うのなら、そうかも知れんな……」

鶴屋「あらら外すのかいっ?眼鏡をかけたぽんじっちも素敵だったのにさっ!?」

藤原「ふん、伊達だよ。気持ちの切り替えに便利だからな」

鶴屋「へぇー、進化したはずの未来人でもそういうもんなのかいっ?」

藤原「ふん、進化したのは道具だけさ。人間はそれほど進化しちゃいない。だからこそ、彼女達は進化の可能性を……いや、この話を君にしても無意味だな」

鶴屋「なんとなくわかるっさ」

藤原「直感力……か。
どうだ?君も朝比奈みくるを手に入れたら、僕の研究に協力してくれないか?」

鶴屋「にょろ?」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:56:55.10 ID:TZkzA673O


藤原「直感や閃きは、この研究に重要な要素だ。君程の直感力があれば」

鶴屋「うーん、良い話なんだけどさっ!丁重に御断りするにょろ」

藤原「……束縛されるのが嫌なのか?そんな事はしないさ。君の好きな時間に」

鶴屋「そう言う事じゃないっさ、ぽんじっち。
確かにこの研究は魅力的っさ。だから私はね……」

藤原「!?」

鶴屋「……奪う事にするよ」


──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──




33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 20:02:30.87 ID:TZkzA673O
シャワー浴びてくる

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 20:21:42.73 ID:TZkzA673O
九曜「力を──返して──」

周防九曜の黒く長い髪が、藤原にまとわりつく。

藤原「九曜止めろ……ぐうっ……力が……鶴屋、君はっ!?」

鶴屋「ぽんじっちはくーたんを完全に洗脳は出来てなかったにょろ。
にゃははっ♪だからドクターゲロがいるって私は言ったじゃないか?」

藤原「何故……まさか直感力だとでも言うのか……だから君は九曜を……くあっ……」

鶴屋「完全と思われた洗脳に隙間があったからねっ!
ぽんじっちが気付かないように、少しずつ、みつしりと、くーたんにいろいろと詰め込んでおいたにょろ」

藤原「くっ……馬鹿な……?」

鶴屋「探し物はこの短針銃かなっ?
もう一度撃てばなんとかなるかも知れない……ってとこかな?にゃははっ♪」

藤原「ぐうっ……もう力が……殆ど……」

鶴屋「ぽんじっち……せめて苦しまないように、楽に殺してあげるにょろ。
くーたん、殺るにょろ」



36 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/31(土) 20:25:45.27 ID:TZkzA673O
ここから、いつものように遅くなる すまない

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 20:49:07.94 ID:TZkzA673O


藤原「ぐっ……おおっ!?」

ズバッ

九曜「────っ!?」

鶴屋「くーたんの髪を切断する力が残ってたなんてね……でも、もう力は残って無いじゃないかな?」

藤原「…………」

鶴屋「今のぽんじっちは非力な未来人っさ」

藤原「……君の言う通りだ」

藤原はそう呟き、意識が朦朧としている橘京子を抱き上げた。



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 21:23:18.90 ID:TZkzA673O


鶴屋「……にゃはっ♪一番のお気に入りを抱いて死ぬつもりかいっ?」

藤原「…………」

鶴屋「それも一つ選択っさ。でも心配する事ないにょろ。
ぽんじっちが死んだら、きょこたんは私がたーっぷり愛してあげるっさ」

藤原「……ふっくっく」

鶴屋「!?」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 22:23:47.66 ID:TZkzA673O


藤原「非力な未来人……確かにそうだ」

鶴屋「……くーたん、さっさと」

藤原「直感力……大した物だ……これから僕がする事もわかるのだろうな」

鶴屋「くーたんっ!」

九曜「──橘京子は──どうするの──?」

藤原「ふっくっく、九曜は特化し過ぎているのさ。正常な状態でも不安定だ。応用が効かない。付け入る隙は幾らでもある……禁則を破らせてもらうぞ」

鶴屋「くーたん!?もう二人一緒に」

藤原「ふん、もう遅い。僕からすれば過去だが、君達からすれば未来だ……追ってこれるかな?」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 22:26:03.77 ID:TZkzA673O
少し 考えたい 残ってたら嬉しい

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 23:38:53.37 ID:TZkzA673O


鶴屋「くーたんっ!?ぽんじっちを早く止めるっさっ!?」

九曜「──了──解──」

藤原「ぐうっ!?」



バシュッ



鶴屋「あ……消え……」

藤原と橘京子は、時間を越えて姿を消した。

九曜「大丈──夫──」

鶴屋「くーたん?」

九曜「72時間後──光陽園駅前公園──それが──移動先──」

鶴屋「……三日後だね」

九曜「彼の──肉体の──停止は──成功──」

鶴屋「……つまりどうなるにょろ?」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 23:52:39.08 ID:TZkzA673O


九曜「──今から──71時間──58分47秒後──」

鶴屋「そこまで細かなくてもいいにょろ」

九曜「活動を──停止した──彼と──橘京子は──光陽園駅前公園に──」

鶴屋「……きょこたんは生きているんだねっ!?」 

九曜「最終的に──貴女が──命じた──のは」

鶴屋「くーたん、つまり三日後の光陽園駅前で死んだぽんじっちときょこたんが時空を越えて現れるんだねっ!?」

九曜「そう────」

鶴屋「三日後……にゃはっ♪くーたん、良くやったにょろ」

九曜「おり──こう──さん──?」

鶴屋「うんうん。くーたんはおりこうさんっさ!」

九曜「──ご褒──美──ちょう──だい──」

鶴屋「……にゃはっ♪くーたん、しっかりくわえるにょろ」

九曜「んっ──む──」


65 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/01(日) 00:11:03.42 ID:rQorNUuvO


鶴屋「んみゃっ……くーたん、もっと舌をつかうっさ……」

九曜「んっ──んくっ──」

鶴屋「あんんっ!?くーたんは、本当におりこうさんだねっ!ささにゃんもそう思うにょろ?」

佐々木「…………」

鶴屋「ささにゃんは、本当は解っているんでしょ?私の気持ちをさっ?」

佐々木「……もう……考えくない……だから殺して……私を殺して……」

鶴屋「だーめだよ、ささにゃんっ?次はきょこたんの予定だったけど、ぽんじっちが禁則を破るなんて考えてなかったからね。
だから、くーたんにご褒美あげたら……次はささにゃんだねっ!?三日もあるしねぇ!?」

佐々木「うっ……ああっ……誰か……お願い……私を殺して……早く私を殺して……」

鶴屋「にゃはっ♪にゃはにゃははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっっ♪♪♪」



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 06:59:07.09 ID:rQorNUuvO
………

……



夜。光陽園駅前公園。

普段人気の無いこの公園のベンチの上で、一人の男性が少女を抱き締めて座っていた。

四肢の無い少女を抱き締めて座っていた。

藤原「うぐっ……無理……だったか……」

橘「んっ……藤原……くん……?」

藤原「橘……京子……僕は……もう……」

橘「え……?」

藤原「今まで……すまなかった……僕は……本当は……君を……」

橘「藤……原……く……」


──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──




93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:00:08.10 ID:rQorNUuvO


九曜「橘──京子──貴女を──迎えに──」

橘「何が……何があったのですか……どうして……藤原君が……いやっ!?いやよぉ!?」

九曜「────?」

橘「藤原君……うっ……うああっ……」

九曜「何が──悲しい──の──?」

橘「お願い九曜さんっ!?藤原君を生き返らせてっ!?九曜さんなら出来るでしょう!?お願いっ……お願いよぉ!!」

九曜「それは──出来ない──彼女は──活動──停止を──私に──」

橘「お願い……お願いよぉ……」




94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:03:15.03 ID:rQorNUuvO


九曜「どうして──泣くの──?」

橘「うあっ……ああっ……」

九曜「どう──して──?」

橘「……藤原君……京子も……京子も一緒に……」

九曜「────?」




ブツッ






95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:05:46.96 ID:rQorNUuvO


橘「ふっ……ぐっ……っ!」

九曜「橘──京子──どうして──どう──して──」

橘「ぎっ……うっ……」

既に冷たくなっている藤原の腕の中。橘京子は自ら噛みきった舌と大量の血液で気管が閉塞された。橘京子は、その苦しみに身体中を震わせて堪えていた。

九曜「──このまま──だと──駄目──気道──」

『……お願い……お願いなのです……このまま……逝かせて……』

九曜「────?」



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:07:30.40 ID:rQorNUuvO


『藤原君が……生き返る事が出来ないなら……私も……橘京子も……一緒に逝かせて欲しいのです……』

九曜「どうして──どう──して──理解──不能── 」

『私は……橘京子は……藤原君を……藤原君を本当に……愛していたのです……』

九曜「愛──あ──い──?」

『互いに……口には出さなかった……屈折した愛……けど……それでも……私は……私達は……』



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:15:33.73 ID:rQorNUuvO


九曜「わから──ない──どう──して──」

『藤原君……京子は……橘京子は……今逝きますのです……どこまでも……一緒……に……愛し…………』












九曜「わから──ない──あ──い──愛──どうして──愛し──愛──死──理解──不能──どう──して──……」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:32:49.44 ID:rQorNUuvO
………

……



九曜「────……」

鶴屋「あっ!おかえりくーたん!遅かったねー?
あ、これ私に似合ってるかなっ?死んだぽんじっちの眼鏡なんだけどさっ!にゃははっ♪」

九曜「わから──ない──」

鶴屋「うーん、くーたんには眼鏡っ娘属性は無しかい?ってあれ?きょこたんは?」

九曜「──活動──停止──」

鶴屋「んにゃっ……あー、もしかして舌を噛んで自殺でもしたのかい?」

九曜「そう────」

鶴屋「ぽんじっちに、ぞっこんらぶだったからねーきょこたん。
あーあ……こんな事なら、もっと遊んであげたら良かったにょろ」

鶴屋「それにしても良く出来たねーきょこたん。舌を噛みきるなんて、実際はただの窒息死なのにさっ。相当苦しんで死んだんじゃないかなっ?」

九曜「──最期は──笑って──」




111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 09:32:40.55 ID:rQorNUuvO
鶴屋「くっはーっ!?最期は笑ってぇ!?にゃはっにゃはははははっ♪
本当に愛してたんだねぇ?にゃははははははっ♪」

九曜「愛して──た──?」

鶴屋「らぶだねっ!らぶっ!にゃはっ♪
きょこたんはぽんじっちを愛していたからねー。勿論、ぽんじっちもねっ!」

九曜「ら──ぶ──?」

鶴屋「ん?どうしたんだいくーたん?」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 09:44:52.36 ID:rQorNUuvO


九曜「私には──わから──ない──」

鶴屋「んー?なにがわからないのさ、くーたん」

九曜「愛──らぶ──橘──京子は──どう──して──」

鶴屋「くーたんは愛を知りたいのかいっ?だったら私がベッドの上で、いっぱい教えてあげるっさ!」

九曜「──それは──違う──私が──理解──不能──なのは──」

鶴屋「んー、ようするに、本気で愛するって事が知りたいのかな?くーたんはさっ」

九曜「愛する──愛す──あいす──アイス──あ──い──す──?」

鶴屋「くーたんは、愛したい人はいないのかなっ?」

九曜「────……?」

鶴屋「じゃあ質問を変えるにょろ。
一番、えっちいな事をしたいのは誰かなっ?」

九曜「────……」

鶴屋「にゃ?」

九曜「──長門──有希──」



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 09:57:52.74 ID:rQorNUuvO


鶴屋「ゆきっこ!?意っ外だねーっ!キョン君かと思ったのにさっ!?」

九曜「──貴女は──いるの──?」

鶴屋「もちろんさっ!私はみくるを愛してるからねっ!
そんな事より、ねえねえくーたん?なんで、一番えっちいな事したいのはゆきっこなんだい?」

九曜「──どちらの──技術が──勝っているのか──確認──したい──」

鶴屋「……えっちいな技術で勝負って事かい?」

九曜「そう────」

鶴屋「……うんうん。くーたんはゆきっこと勝負したいんだねっ♪
どっちが先にイッちゃうかセックス勝負っ!だけど互いに異能宇宙人みたいなっ!?
にゃははっ♪」

九曜「セックス──勝負──?」

鶴屋「これは是非とも生で観戦したいにょろ」



117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 10:11:33.64 ID:rQorNUuvO
鶴屋「うーん、残念だけど、これは愛では無いねくーたん」

九曜「愛──じゃない──……」

鶴屋「でも、そこから生まれる愛もあるのさっ!大抵の愛は時間をかけて作られるもんだからねっ!特にくーたんみたいなタイプはさっ!?」

九曜「生ま──れる──更に──理解──不能──」

鶴屋「くーたんは、自分の愛をゆっくり探すといいっさ!」

九曜「愛──探す──?」

鶴屋「そ。とりあえずさ?ゆきっこをくーたんの物にしちゃえば何かわかるんじゃないかなっ?」

九曜「私の──物に──?」

鶴屋「あっちで二穴にばいぶ突っ込まれてひぃひぃ言ってる、ささにゃんみたいにさぁ?
ゆきっこをさらって、四肢切断して、匣に入れて、たっくさん愛でてあげれば、何かわかるかも知れないねぇ?にゃはっ♪にゃはははははっ♪」



119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 10:29:11.84 ID:rQorNUuvO


九曜「匣──愛でて──わかる──……」

鶴屋「きっとわかるっさっ!
んー、そのために、ささにゃんで練習しておこっかくーたんっ?」

九曜「練習────?」

鶴屋「ゆきっこに試したい事をさっ!私も教えてあげるから、ね?くーたん?」

九曜「了──解──」

鶴屋「よかったねぇ、ささにゃあん?
くーたんがささにゃんで試したいんだってぇ?」

佐々木「うあっ……あっ…殺しっ……てぇっ……お願っ……」

鶴屋「にゃはっ♪びくびくって感じながらさぁ?言われても困るにょろぉ?
それに、ささにゃんはかーんたんには殺してあげないっさ」

佐々木「ひあっ……あっ……殺っ……して……はやっ……くうっ……」

鶴屋「ささにゃんのその姿をキョン君に直接見せてあげるまで、ぜーったいに殺してなんかあげないっさ。キョン君に絶対に見せつけてあげるからねぇ、ささにゃあんっ!?
にゃはっ♪にゃはははははははははははははっ♪♪」



124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 10:39:23.74 ID:rQorNUuvO
………

……



鶴屋さんと藤原さんから話を聞いてから三日目の夜。

あれから二人は、連絡どころか姿すら見えない。

藤原さんならともかく、鶴屋さんも……連絡してみようかな?

朝倉「……きっと二人共、準備で忙しいんじゃないかな?。邪魔しちゃ悪いわよ」

谷口「そうだよな……涼子の言う通りだな」



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:08:50.37 ID:rQorNUuvO


朝倉「それより谷口、もう少し練習しましょう?」

谷口「またかよ……この三日間、散々やったじゃねぇか。もう完璧だろ?」

朝倉「何だか、気持ちが落ち着かないのよ……ね?涼子のお願い♪」

谷口「やれやれ、仕方ねぇな……」

俺は座っていたソファーから立ち上がり、一旦部屋の外に出た。

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:14:29.65 ID:rQorNUuvO


谷口「涼子ー準備はいいかー?」

朝倉『いつでも良いわよ谷口ー』

谷口「…………」


ガチャッ


谷口「あーあ、本当につまんないわねっ!何か面白い事でも起きないかしらっ!?」

俺は自分でも聞いていて気持ち悪い裏声で、涼宮の真似をしながら部屋を歩く。

谷口「ったく!それにしても、あのバカキョ」

朝倉「ばあっ!」

谷口「きゃっむぐっ……!?」


ボスッ


はい。練習終わり。



128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:23:13.58 ID:rQorNUuvO


朝倉「完璧ね!」

谷口「当然だろう……」

拉致の方法はこうだ。昼休みに一人で歩いている涼宮の前に、涼子が瞬間移動で目の前に出現。
そのまま即効性の睡眠薬を嗅がせながら、体当たり。(涼子の瞬間移動は、誰かと同時に行う場合は触れなければいけないらしいのだ。)
そしてこの部屋のベッドに涼宮と瞬間移動ってわけだ。

谷口「……これで本当に上手くいくのかな」

涼子「大丈夫よ!それに、これは私が適任なんだし」

そうなのである。涼宮を拉致する絶対条件として、先ずは涼宮を守るように監視している宇宙人未来人超能力者達の無力化。
これが一番困難なのだが

藤原「今すぐにでも出来る。ふっくっく、禁則だがな」

らしい。

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:30:52.41 ID:rQorNUuvO
そして涼宮の拉致。一瞬で思考停止、もしくは混乱させて眠らせる必要がある。

朝倉「いくら涼宮さんだって、突然目の前に四肢の無い私が現れたら混乱するわよ」

確かに。俺も今は涼子の存在を知っているからこそであって、昔の俺の目の前に突然涼子が現れたら……下手をすれば気絶するだろうな。

朝倉「私、本番では全裸になろうと思うの」

谷口「へ?」

朝倉「もっと涼宮さんを混乱させる為よ!
飛び込んで来た処理出来ない情報は、より多い方が更に混乱するわよ」



131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:40:46.39 ID:rQorNUuvO


朝倉「と、言うわけで。するわよ谷口」

涼子は服を脱いで全裸になった。四肢の無い真っ白な身体……意外に豊満な胸……ピンク色の乳首に、つるつるの……

谷口「……好きだ涼子っ!?」ガバッ

朝倉「そう言う意味で言ったんじゃないわよっ!?」

ゴスッ

谷口「がはっ!?」

部屋に置いてある、高級な壺が猛スピードで俺の後頭部に直撃っ!

朝倉「練習よ練習っ!もうっ!」

……能力を復元してから、涼子のツッコミは俺を一撃で黙らせる物と変化していた。

谷口「しかし壺はやり過ぎだ涼子……割れたらどうする……この壺は……いい壺だ……」

朝倉「言ってる意味がわかんないわよ谷口?ほら、本番だと思って睡眠薬も嗅がせるから、準備してよ」


132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:46:34.14 ID:rQorNUuvO
………

……



朝倉「谷口……谷口起きてよ……」

谷口「……んあ?」

朝倉「鶴屋さん来てるわよ!」

鶴屋「おめめは覚めたかい谷口?にゃはっ♪」

なんで眠ってるんだ俺……あ、そうか。さっきの本番を意識した練習で睡眠薬を嗅がされたっけ……。

谷口「……あ、おはようございます鶴屋さびゅっ!」

やべ。よだれ出てる。

鶴屋「今は真夜中だけどねー。うんうん。練習熱心なのは良い事にょろ」



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:03:12.26 ID:rQorNUuvO


俺はよだれを拭きながら、急いで跳ね起きた。

部屋には涼子と鶴屋さん。そして……誰?カオナシ?

鶴屋さんの隣には……真っ黒なマントを羽織りって首から下は何も見えない。黒く長い髪はマントとほぼ同じ長さまである。
その黒く長い髪の中心に、まるで暗闇の中でぽつんと浮いている瞳を閉じた少女の顔があった。

なんでこんな格好と髪型をしているんだ……これで夜中歩かれたら、さっきも言ったように空中に顔だけが浮いているようにしか見えんぞ?

その少女は、ゆっくりと瞳を開けた。

九曜「周防──九曜──」

ぞわっ

声を聞いた瞬間、何故か全身に鳥肌が立った。


135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:10:28.01 ID:rQorNUuvO


朝倉「谷口?」

谷口「つ、鶴屋さん?この人は……?」

鶴屋「にゃは♪私の友人の周防九曜。気軽にくーたんと呼んで欲しいっさ!」

……くーたん?

朝倉「へ?あれ?誰の話をしているのよ?」

谷口「はぁ?」

鶴屋「……あ、そっか!くーたん、りょこにゃんはお仲間だからさ、りょこにゃん『だけ』認識出来るようにしてくれないかいっ?」

九曜「────了──解──」

朝倉「あの、鶴屋さん。誰と話を……ひっ!?」

九曜「はじめ──まして──朝倉──涼子──」

朝倉「あ、あ、あ、はじっ、はじめっ、まして……」

涼子はガチガチと歯を震わせて呟いた。



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:17:39.94 ID:rQorNUuvO
谷口「涼子っ!?大丈夫かっ!?」

朝倉「た、谷口、私を抱きし、めて。ど、どうしてここに、こんな、存在が……」

鶴屋「くーたん、怖がらせちゃ駄目じゃないかっ?」

九曜「────……」

俺はガクガク震える涼子の身体を抑えるように抱きしめた。

朝倉「はっ、はぁっ、はっ」

谷口「涼子、ゆっくり息を整えるんだ」

朝倉「はぁっ、あっ、はっ……」

涼子がこんなに脅えるなんて……



138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:25:14.93 ID:rQorNUuvO
飯食ってくる

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:49:33.73 ID:rQorNUuvO


鶴屋「りょこにゃん、ゆっくり深呼吸して落ち着くっさ?
くーたんは、私達の仲間だからさっ!」

朝倉「あ、は、はい、鶴屋さん……」

谷口「涼子、大丈夫か?」

朝倉「う、うん。もう大丈夫……ありがとう谷口……」

涼子は、一度深呼吸して呟いた。

朝倉「は、はじめまして、くーたんさん……」

……くーたんさん?



143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:06:15.15 ID:rQorNUuvO
鶴屋「にゃはっ♪くーっ♪たんっ♪さんっ♪りょこにゃんは面白いねー。
でも、気軽にくーたん、って呼んであげるっさ」

朝倉「は、はい。それで、くーたんさ……くーたんは、一体なんの目的で……」

九曜「秘密──兵器──」

朝倉「へ?」

鶴屋「ふっふっふ……くーたんは私達の秘密兵器なのさっ!」

谷口「秘密兵器?」

鶴屋「そうっ!ゆきっこをくーたんが何とかしちゃうのさっ!」

谷口「……長門を……くーたんが……?」



144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:12:01.74 ID:rQorNUuvO


くーたんは、ふわふわ浮きながらあらぬ方向を見ている。

……本当にこのくーたんが秘密兵器なのか?長門を何とか出来ると言われても……

朝倉「そっか……藤原さんの言う、禁則ってくーたんの事だったのね……」

谷口「?」

朝倉「谷口、くーたんなら長門さんを無力化出来ると思うわ」



146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:32:22.18 ID:rQorNUuvO


谷口「……マジで?」

鶴屋「天蓋領域から派遣されたヒューマノイドインターフェース!それが、くーたんさっ!」

谷口「ヒューマノイド……インターフェース……」

じゃあ、涼子や長門と同じ……?

朝倉「ううん。谷口、くーたんさ……くーたんは私と長門さんとは、まるっきり別の宇宙から来た存在よ……」

谷口「別の宇宙から来た存在……」

朝倉「谷口も感じたでしょ?あの圧力。くーたんが相手なら、いくら長門さんでも……」

鶴屋「そう言う訳っさ!準備は万全にょろ!」

鶴屋さんは、一度くるっと回って親指を立てた。

朝倉「じゃあ、決行の日は……」

鶴屋「決行は明日の北高の昼休みっ!名付けて
『ハルにゃん拉致監禁大作戦っ!!』
それでは各自、明日に備えて充分に休むにょろっ!」

谷口「拉致『監禁』って鶴屋さん……あ、そう言えば藤原さんは……?」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:36:52.59 ID:rQorNUuvO


鶴屋「……にゃはっ♪ぽんじっちは、
『ふっくっく、遠い場所で、らぶらぶしてくる』
そう言って、くーたんを私に任せて何処か遠い場所に、らぶらぶしに行ったにょろ!」

なんだそりゃ。

鶴屋「ぽんじっちが居なくても、作戦に支障は無いからさっ!」

まぁ、確かにそうだが……遠い場所か……海外にでも行ったのか?

鶴屋「それじゃあ、私とくーたんも休むからさ……二人共、明日の分の体力はちゃんと残しておくにょろ」

谷口「あう」

朝倉「……もうっ!鶴屋さんったら!?」

鶴屋「にゃははっ♪じゃっねー♪くーたん、行こうっ!」

九曜「赤──面──どうして──?」


バタンッ


鶴屋さんとくーたんは、部屋から出ていった。



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:38:44.46 ID:rQorNUuvO
第はち終わり 次はキョン

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:00:37.32 ID:rQorNUuvO
………

……



佐々木「……して……殺して……」

キョン「佐々……木……」

「…………ひ、あ、あ、あ、あ」

佐々木は、俺を認識した瞬間

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
もう殺してっ!キョン!?私を殺してぇ!?はやく私を殺してええええぇぇっっ!?
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

狂ったように泣き叫んだ。



151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:09:49.96 ID:rQorNUuvO


キョン「う、ああ、あ」

佐々木佐々木佐々木佐々木佐々木

匣の中の佐々木が泣き叫ぶ。殺して殺して俺に殺せと。

九曜「はやく──愛でて──」

愛でてめでてメデテ

キョン「うっ、ああっ!?」

九曜「そして──その時を──」

頼む。黙れ。頭が割れる。俺の頭の中が割れるわれるワレル。

九曜「観測──させて──愛シアウ姿──」

キョン「ぐうっ!?」

ジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ

警報器が鳴り響く 誰かあの警報器を止めろっ!?

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:22:01.25 ID:rQorNUuvO
九曜「藤原──橘京子──この──二人の──ように──」

キョン「うっ……ぐっ……!?」

死体

二人の死体

四肢の無い死体

四肢のある死体

殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して

佐々木 佐々木 佐々木 佐々木 黙って 黙ってくれ 今は黙ってくれ

九曜「そして──この──二人の──ように──」

目の前の空間が曲がるまがるマガル

キョン「うあぁっ!?」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:22:54.63 ID:rQorNUuvO


空間から 死体 二人の 死体

頭の穴から 血を流している 死体

四肢の無い 死体

死体 死体 死体 死体

死体が四つ

藤原の死体

四肢の無い橘京子の死体

頭に穴の空いた生徒会長の死体

四肢の無い喜緑江美里の死体

死体 死体 死体 死体

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:29:40.37 ID:rQorNUuvO


古泉「そんな……会長……喜緑さん……」

黙れ古泉。黙ってくれ。

九曜「はやく──観測──させて──」

キョン「ぐっ……うっ……」

──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──

黙れ。笑うなわらうなワラウナ。

九曜「──どう──した──の──?」

キョン「あぁっ!?」

喋るな。喋るな。頭が狂う。狂ってしまう。狂う。狂う。狂う。狂う。

九曜「貴方は──佐々木じゃ──ない──?」



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:36:02.04 ID:rQorNUuvO
九曜「だったら──」

ジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ

煩い。警報器を止めろ。

九曜「──どうして──そこに──眠って──?」

殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して

黙れ佐々木。黙れ。

九曜「でも──私には──無意味──」

ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ

笑うな。笑うな。

九曜「貴方が──愛シアイたいのは──」

目の前の空間が曲がるまがるマガル

くるくる曲がるくるくるくるくる。くるう。くるう。狂う。狂う。狂う。狂う。





「──涼宮──ハルヒ──」

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:47:36.27 ID:rQorNUuvO


ハルヒは眠っていた

突然、目の前の空間に現れて

ハルヒは静かに眠っていた

「スズミヤ──ハルヒト──アイシアッテ──」

誰かが呟いた

ハルヒの右腕が ポトリと落ちた

ハルヒの左腕が ポトリと落ちた

ハルヒの右足が ポトリと落ちた

ハルヒの左足が ポトリと落ちた

四肢が落ちた

四肢の無い ハルヒ


『────好きな人が四肢切断の目に合っても、以前と変わらず接する事が出来る────?』


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」



174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 17:12:04.14 ID:rQorNUuvO
………

……



決行の日の朝が来た。鶴屋さんの言う通り、体力を充分に残したかは……皆様の御想像にお任せするとしてだ。
涼宮ハルヒ拉致監禁大作戦。決行の日の朝を、俺は涼子と一緒にベッド上で迎えた。

谷口「……よしっ!」

涼子の安らかな寝顔を見ながら、俺は気合いを入れた。

……俺が何かする訳でも無いがな。



183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 20:22:36.96 ID:rQorNUuvO


朝倉「んっ……おはよう……谷口……」

谷口「あ、すまん涼子。起こしちまったか?」

朝倉「ううん……大丈夫……」

涼子は、寝ぼけ眼でふわふわ動いて、洗面室に向かって行った。

谷口「俺も行くか……」



187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 20:43:03.10 ID:rQorNUuvO
二人で並んで歯みがき。そういや昔、寝惚けて朝食前に食べたあとにとか、意味不明な事を呟いていた気がするが、多分気のせいなのだろう。

朝倉「んー♪んんー♪」

涼子は電動歯ブラシを空中で器用に動し、鼻歌まじりに磨いている。

正直、便利だよなぁ……

ガラガラガラ……ぺっ

二人仲良くうがい。さて、朝食を取るか……。



193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 21:58:26.24 ID:rQorNUuvO


箸や茶碗を宙に浮かせて、ひょいひょい食べる涼子の姿にはもう慣れたわけだが。

なんか寂しい気が……

朝倉「谷口、あーん♪」

谷口「あ、あーん」

嘘です。幸せですまん。

いやいやまだまだ謝るべきではないな、うん。俺と涼子は、幸せでごめんなさいなんて台詞はまだ吐けない。

今日の作戦の成功。俺達が幸せになれるかなれないかは、これにかかっている。

もしかしたら、失敗するかも知れない……

そんな不安を打ち消すように、俺と涼子は二人で何度もじゃれあった。甘えた。甘えられた。決行の時間ギリギリまで、何度も何度も。

朝倉「ねぇ、谷口。絶対、絶対幸せになろうね」

谷口「あぁ、絶対にな。約束だ」

朝倉「約束ね」



195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 22:26:37.49 ID:rQorNUuvO
………

……



鶴屋「それではみんなっ!?準備はいいかいっ!?」

朝倉「はいっ!」

谷口「うっし!」

九曜「────……」

返事無しかよ。くーたん。

鶴屋「くーたんのゆきっこの無力化。これは既に始まっているにょろ」



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 22:40:00.95 ID:rQorNUuvO


朝倉「既に……いくらくーたんさ……くーたんでも、長門さんにはそれほど時間を……」

谷口「……本当に大丈夫なんですか?いえ、疑ってるわけじゃないっすけど」

鶴屋「なーんか、邪魔者がいるみたいっさ」

朝倉「邪魔者?」

鶴屋「私達の事は、全く感付いて無いらしいけどねっ!二人同時だと時間がかかるみたいにょろ」

朝倉「二人同時……まさか他のヒューマノイドインターフェースが長門さんと!?」

鶴屋「りょこにゃん、心配する事ないっさ!その人にはゆきっこより力は無いみたいだからねっ!
ワカメのような物だと考えればいいっさ!にゃはっ♪」

うーん。鶴屋さんには悪いが、例えがいまいち良くわからんぞ。

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 22:52:08.75 ID:rQorNUuvO


鶴屋「少し時間がかかるみたいだから、くーたんの準備が終わるまで待つにょろ」

谷口「は、はい」

朝倉「わかりました」

そして、北高の昼休みの時間になる……手に汗握る緊張感とはこの事か。

九曜「────……」

五分経過

十五分経過

二十分経過

二十五分経過

三十分経過……

谷口「……あのー」

鶴屋「うーん……もしかしたら、明日に変更かも知れないねー」



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:09:25.00 ID:rQorNUuvO
鶴屋「ねぇ、くーたん。あとどれくらいかなっ?」

九曜「────……」

鶴屋「……明日に変更なら、準備をし直さなきゃいけないんだけとなぁ?」

九曜「────……」

うあ……なんか鶴屋さん怖いんですけど。まぁ、そりゃあいくら鶴屋さんでも、これだけ待たされた上、無視されたらな……。

鶴屋「くーたん、聞いてるかなぁ?」

九曜「────……」

鶴屋「くーたんっ!?」

朝倉「ひっ!?」

バンッとテーブルを叩いて、鶴屋さんは大声でくーたんを呼んだ。

九曜「────……」

……無視。

鶴屋「……私、自分の部屋に行ってるからさっ。
どうせ作戦は一瞬で終わるし、成功でも変更でも直ぐに連絡してくれるかなぁ?」

谷口「は、はひ、鶴屋さんっ!必ず直ぐにっ!?」

……鶴屋さんは俺の返事を無視して、バンッと思いっきり扉を閉めて出て行った……鶴屋さん、怒ると目が怖えーっすよ……。

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:20:24.98 ID:rQorNUuvO
そして、三十五分経過

そろそろ休み時間が……。

──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──

朝倉「ひっ!?くっ、くーたんさん……?」

涼子、ここはくーたんさん。気持ちはスゲー解るぞ。
つーか、それ笑い声?夜中に聞いたら、絶対にチビるんですけど。

九曜「完──了──」

谷口「本当ですかっ!?涼宮はどこにっ!?」

九曜「そこで──校舎──裏と──呼ばれる──場所──」

校舎裏は校舎裏以外に呼び方があるのかと言うツッコミは置いといて、

谷口「涼子っ!」

朝倉「う、うん。ちょっと待って。
驚かせて……この布に染み込ませた睡眠薬を嗅がせて……体当たり……瞬間移動……」

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:33:03.03 ID:rQorNUuvO


九曜「私は──先に──長門──有希──を──」

そう機械的な声を残して、くーたんは姿を消した。

朝倉「谷口っ!」

谷口「りょう……!」

ちゅっ

朝倉「絶対、ここに涼宮さんを連れて来るからねっ!」

谷口「ああ、頑張れ涼子!」

朝倉「うんっ!」

涼子は全裸になり、そして……姿を消した。

結果は一瞬でわかる。

俺はまばたきをしないように、涼子と涼宮が現れるであろうベッドを凝視した。

頼むぞ涼子。



207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:50:30.86 ID:rQorNUuvO
………

……



北高……何もかもが懐かしい……って思ってる場合じゃないわよっ!?

ハルヒ「あーあ、本当につまんないわねっ!何か面白い事でも起きないかしらっ!?」



いたいた……よし。落ち着いて。落ち着いてやるのよ私。



210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:51:49.35 ID:rQorNUuvO
睡眠薬を染み込ませたハンカチは、鼻と口にそえるだけ……


ハルヒ「ったく!それにしても、あのバカキョ……ふえっ……へっ……」

今よっ!涼宮さんの眼前にっ!

朝倉「ばあっ!」

ハルヒ「!?」

睡眠薬を染み込ませたハンカチを顔にっ!そして体当たりと瞬間移動はほぼ同時にっ!

ハルヒ「へっくしゅっ!?」

朝倉「へっ?」

くしゅっ?

あ、ハンカチ、額に、え?

ハルヒ「……あ」


ドンッ




230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 05:45:48.27 ID:KUtcd7WdO
………

……



「……もう、俺は、駄目、だ」

ハルヒ

涼宮ハルヒ

「愛でて────愛して────愛死あって────」

愛でて 愛して

愛死て 愛死たら 愛死愛されよう

愛死い 愛死の 愛死ている

ハルヒと

俺はゆっくり

ハルヒを抱き寄せた



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 05:50:27.87 ID:KUtcd7WdO


「ハル、ヒ」

ポタポタと

ハルヒの頬に滴が落ちた


俺の涙

「うあ、あ、ああ」

どうして

俺は泣いているんだ



232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:02:53.82 ID:KUtcd7WdO


「呆けている場合ですか」

鈍い音と共に

俺の頬に痛みが走った

キョン「……古泉」

古泉「しっかりしてくださいっ!」

しっかり?

何をしっかりしろと言うんだ?

古泉「……もう諦めるんですか貴方は」

じゃあ、どうすればいいんだ

教えろ

教えて

教えてくれ



235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:07:51.45 ID:KUtcd7WdO


誰か

誰でもいいから

俺は

俺達は

どうすれば

絶望

絶望しか残っていない

絶望しか残っていないんだよ



237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:16:07.06 ID:KUtcd7WdO


望みは絶えた

絶えたんだ望みは

もう、俺達しか残っていない

俺達で

最後だ

最後なんだよ





『WAWAWA忘れ物~♪』





241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:33:51.00 ID:KUtcd7WdO
…………

……



谷口「…………」

朝倉「…………」

ハルヒ「…………」

三点リーダの多さに絶望したっ!?
いや違うだろっ!?そんな事言ってる場合かっ!?と自身にツッコミを入れつつ現実から逃避しようとしたところで何とか踏みとどまる。

待て落ち着け。落ち着けって。あれだ。あれだよ。ええっと現状確認だっ!

俺は今、高級ホテルの一室で涼子が涼宮を連れて来るのを待っていた。うん。これは間違いない。間違っているなら誰か教えろ。

そして涼子。涼子はちゃんと連れて来た。涼宮の奴をな。偉いぞ涼子。流石は涼子だ。俺の涼子だ。自慢の涼子だ。今日は出来なかったから、後でゆっくり愛し合おうな涼子。

で、涼宮。

何でお前は目を丸くして口をぽかんと開けているんだ。その額に付いているハンカチは何だ。

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:45:11.65 ID:KUtcd7WdO


それはどうみても睡眠薬を染み込ませたハンカチです。
ありがとうございました。

え?なに?これってあれ?あれですか?あれですよね?

『作戦失敗』

なにそれこえーよ。え?待って?マジで?マジか?マジなのですね?いやいやいやいや待て待て待てって。

まだ決めるのは早いと思うぜっ!?お前もそう思うだろ?俺もそう思いたいぜっ!

例えばだな。こう、涼宮の額にあるハンカチをゆっくり下におろして行ってだな

ハルヒ「……朝倉さんっ!?朝倉さんよねっ!?」

涼宮は額にべったり付いていたハンカチを払い除けて叫びました。

247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:13:05.67 ID:KUtcd7WdO
朝倉「あ、う、は、はい」

誰か

誰でもいいから

俺は

俺達は

どうすれば

ってこれ誰の台詞だよっ!?

ハルヒ「そして谷口……」

何だよ。何を睨んでるんだ涼宮……ああ思い出した。お前のその目。

中学の時、クラスで何人かの女子の体操着が無くなった時に俺をじっと見ていた目にそっくりだ。
あれ、マジで俺じゃねーぞ。

って、今それ考える事じゃねーっ!?つーかマジでどーすりゃいいんだっつ!?誰か教えろっ!?

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:28:04.15 ID:KUtcd7WdO


朝倉「えと、その、すずみ」

ハルヒ「朝倉さんっ!」

朝倉「ふえ?」

ぎゅっ

涼宮は涼子を抱きしめた?なんでだよ。
涼宮、お前は何がしたいんだ。

朝倉「あ、あの」

ハルヒ「朝倉さん……いいの。何も言わなくていい。私には全部わかったから」

朝倉「え?」

谷口「え?」

ハルヒ「こんな……辛かったでしょう朝倉さん……でも、もう大丈夫。後は私にまかせて」

朝倉「涼宮さ……」

ハルヒ「私にも責任はあるわ……」

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:30:52.34 ID:KUtcd7WdO


おいおいおいおいおい。

ハルヒ「五年間ずっと同じクラスにいながら、彼の心の闇を見抜けなかった私にも責任はある……」

涼宮。お前まさか……

ハルヒ「谷口っ!!全部あんたがやったのねっ!?」

谷口「ちょっと待て涼宮!先ずは話を聞きやがれっ!?」

ハルヒ「問答無用よっ!光陽園駅前公園の事件もあんたが犯人ねっ!?」

いっつもいっつも言ってる意味わかんねーんだよ涼宮!だから俺はお前と関わりたくねーんだよっ!?

ハルヒ「覚悟なさい谷口……この私が地獄すら生ぬるいって事を教えてあげるわ……」



254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:48:01.34 ID:KUtcd7WdO


谷口「待て涼宮マジで待てって!どんな勘違いしてんだよっ!?」

ハルヒ「谷口っ!年貢の納め時よっ!あんたが変態だとは昔っから気付いてたけど、こんな猟奇事件まで起こすとはねっ!?」

谷口「変態は変態でも俺は変態と言う名の紳士だっつの!?猟奇事件なんか起こすかっ!?」

ハルヒ「言ってる意味がわかんないわよっ!?」

俺だってお前が言ってる意味がわかんねーよっ!!

ハルヒ「谷口、言いたい事は私じゃなくて法廷で存分に語りなさいっ!さぁ、大人しくお縄につくのよっ!」

ダッ

涼宮は一直線に俺に向かって来た。



255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:56:03.76 ID:KUtcd7WdO


朝倉「涼宮さん待って!」

ハルヒ「!?」

涼子が俺と涼宮の間に割って入った。

朝倉「お願い涼宮さん!私と谷口の話を聞いてっ!?」

谷口「涼子……」

ハルヒ「朝倉さんが浮いてるっ!?」

谷口「あ」

朝倉「あ」




……マジでどうなるんだ俺と涼子の運命は。


265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 09:59:26.17 ID:KUtcd7WdO


ハルヒ「それに私、学校にいたはずなよ?えっ?どういう事よっ!?」

谷口「…………」

朝倉「…………」

遅い。何もかもが遅いぞ涼宮。

さて、どう言い訳すりゃいいんだこりゃ。

……実は涼子は、とある特殊機関が造った汎用人型決戦MSでありまして。アホか。誰が信じるかバカ。もっと真剣に考えろ俺っ!?

全て話すか?

いやいや待て。鶴屋さんと藤原さんの話を聞いた分には、必ず眠らせなきゃいけなかったはずだ。

うむ。今は涼宮を眠らせる事が先ずは何より優先……?
何をブツブツ呟いているんだ涼宮?

ハルヒ「……涼子ング……いえ、朝倉・アジール……?」

朝倉「あじーる……?」

谷口「…………」



266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:10:16.56 ID:KUtcd7WdO


谷口「……涼宮、正直に話そう。落ち着いて聞いてくれるか?」

朝倉「た、谷口?」

谷口「涼子。ここは俺に任せてくれ……涼宮、立ち話もなんだ。その辺に腰掛けてくれ」

ハルヒ「そうね……谷口、全部話してちょうだい」

そう言って涼宮は、ベッドに腰掛けた。本来なら、今頃そこでお前が眠っているはずのベッド……ハンカチは……よし。近くにあるな」

ハルヒ「先ずは、一年前にカナダに行ったはずの朝倉さんが何故こんな姿になったのか。
そして谷口、あんたが行方知れずになっていた約一ヶ月、何があったのか……全部話してちょうだいっ!」

よーしその目だ涼宮。お前は何か面白い物を発見した時、その大きい瞳をキラキラ輝かせる。

涼子……早く気付け……

お前の能力で、涼宮にもう一度嗅がせるんだっ!



267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:25:08.30 ID:KUtcd7WdO


谷口「涼宮……驚かないで聞いてくれ」

ハルヒ「うんっ!」

谷口「実はな……その……なんだ……」

ハルヒ「……早く話なさいよっ!」

谷口「あ、待て涼宮。涼子に服を着せたいから、ちょっと待っててくれないか?」

よし。これで涼子に……

ハルヒ「いいからさっさと話なさいよっ!」

谷口「お、おい涼宮。涼子の身体は……」

ハルヒ「浮遊してるんだから、それぐらい自分で出来るんじゃないの?朝倉さん?」

朝倉「あ、はい。涼宮さん。それぐらいは自分で……」

涼子おおおおおぉぉぉっ!?



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:32:40.80 ID:KUtcd7WdO
今は服を来ている場合かっ!?
いや、全裸もどうかと思うがそれより重要な事があるだろうっ!?
今は服よりハンカチだっつの!

谷口「涼子、ハンカチで!ハンカチで隠せばいいと思うぞ。ハンカチでな。うんハンカチはいいものだ」

朝倉「何を言ってるのよぉ谷口」

ハルヒ「谷口、あんた馬鹿じゃないの?」

気付けえええぇぇぇっ!?



271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:47:38.78 ID:KUtcd7WdO


涼子頼む。頼むから気付け。気付いてくれ涼子。

ハルヒ「で、どうして朝倉さんはあんな姿なの?」

谷口「そ、それは……」

くそっ!どうするどうするどうするどうするっ!?

何か話を引き延ばす方法はないか?何かネタは……そうだっ!!



272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:48:46.14 ID:KUtcd7WdO
谷口「……涼宮、その前にお前に聞きたい事がある」

ハルヒ「質問を質問で返さないでよっ!?」

谷口「落ち着け涼宮。お前がさっき言っていた事件……あれが深く関わってくるんだよ」

ハルヒ「……やっぱりね」

なーにがやっぱりだ。関わりがあるわけねーだろ。

谷口「その事件……どこまで涼宮が知っているか聞かせてくれ」

ハルヒ「……まぁ、いいわ。私も聞いただけなんだけどね」

聞いただけかよ。それで良く俺を犯人扱いしたな涼宮。

ハルヒ「昨夜、光陽園駅前公園で男女二人の死体が発見されたわ。
そして女性の方は、朝倉さんと同じように……四肢が綺麗になかったのよっ!」

谷口「………え?」



280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 13:09:11.78 ID:KUtcd7WdO


……自分自身の姿で想像してしまった。
俺と涼子が……何を考えているんだ俺はっ!?絶対幸せにって約束しただろうがっ!?

ハルヒ「ふふん、やっぱり何か関係があるのねっ!?」

谷口「い、いや、待て。もう少し詳しく聞かせろ涼宮っ


……しかしだ。これは引っ掛かる。俺達以外にもいたのか?

ハルヒ「それで……へっくっしゅ!」

……涼子と一緒に話を聞いてみたほうが良いか?

ハルヒ「あー、さっきからくしゃみが止まんないわ……谷口、ハンカチ借りるわね」

谷口「あぁ」

もしかしたら長門の奴、涼子の前にも似たような事を……

涼宮は近くにあったハンカチをってハンカチ?ハンカチぃ!?

281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 13:15:37.38 ID:KUtcd7WdO


ハルヒ「あ……んんっ……?」


ドサッ


涼宮はベッドの上にそのまま倒れ込んだ。

谷口「おい涼宮待て!話を最後まで聞かせろっ!?」

ハルヒ「くー……」

谷口「ええいっ!寝るなら話してから寝ろっ!?
おい涼宮っ!?涼宮っ!?起きねぇと犯すぞコラ!?」



朝倉「犯……す……?」

りょっ……

朝倉「谷口……何を……してるの……?」



286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 13:47:00.63 ID:KUtcd7WdO
………

……



朝倉「谷口ごめんっ!本当にごめんねっ!?」

谷口「勘違いは誰でもあるが……あれはもう止めてくれ。マジで死ぬかと思った」

そう。俺は死ぬ寸前だった。いやマジで。

勘違いした涼子が

「谷口の馬鹿ぁ!?」

と叫んだ瞬間、物凄いスピードで部屋に置いてあった壺やら皿やらが俺に向かって飛んで来たのだ。

軽傷で済んだのは奇跡に近い。ナイフやフォークも飛んで来たからな……それにしても、良く避けれたな俺。



291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 13:58:37.60 ID:KUtcd7WdO
朝倉「でも、本当に勘違いでよかったぁ……」

谷口「因みに、もし勘違いじゃなかったらどうしてたんだ?」

朝倉「うふふ、それは勿論」

朝倉「谷口を殺してぇ、私も死ぬわよぉ?」

谷口「…………」

涼子。目がマジで怖いっす。

朝倉「本当にごめんね、谷口……実はさっきね、ちょっと嫉妬してたのよ」

谷口「へ?」

朝倉「涼宮さんにね」

谷口「ちょ……意味がわからんぞ涼子?なんでお前が涼宮に嫉妬しなきゃならねーんだ?」

292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 14:12:50.11 ID:KUtcd7WdO
朝倉「……中学から、五年間も同じクラスなんでしょ?」

谷口「まぁ、そうだな」

朝倉「その間に、涼宮さんの事をちょっと良いかなーとか思ったりしたでしょ?
あ、怒らないわよぉ。涼宮さん、私から見ても素敵だもん」

谷口「…………」

朝倉「それに、中学から……いえ、涼宮さんの能力が発現してからずっと同じクラスメイトってのはね、単なる偶然じゃないんじゃないかな?」

谷口「まさか……」

朝倉「私の想像なんでけどね、もしかして涼宮さんって……」

谷口「いやいやいやっ!?涼宮が俺の事を好きとかっ!?それはねーって!?」

朝倉「うん。私もそれは確実に無いと思う」

あ、そこは即否定なんだ。涼子には悪いがちょっとだけ悲しかったり。

294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 14:24:32.94 ID:KUtcd7WdO
朝倉「多分、『いてほしいクラスメイトの一人』って無意識に思ってるんじゃないかな?」

谷口「…………」

そういや、中学も高校も似たような面子だな。俺のクラスって。

朝倉「ちょっとそんな事を考えてたら、あの場面に出くわしちゃったから……本当にごめんね」

谷口「うーん……そう言うもんなのか……あ、そんな事よりだ涼子」

朝倉「そんな事?」

谷口「ひっ……ま、待て。落ち着け。涼宮が少し気になる話をしてたんだよ!?」

朝倉「涼宮さんが……?」

谷口「だ、だから落ち着けって」

朝倉「……話して」

涼子は、ぶっきらぼうに言い放った……うーん。女心は難しい。



295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 14:44:29.76 ID:KUtcd7WdO


谷口「昨夜、光陽園駅前公園で────」

朝倉「…………」

俺の話を聞いて、涼子は愕然とした表情を見せた。

谷口「……涼子?」

朝倉「あ、待って……うん、そう……なる……?」
谷口「涼子、どうした?」

朝倉「……谷口、涼宮さんを置いて逃げたほうが良いかも知れない……」

谷口「何を言ってるんだ?せっかく……」

朝倉「聞いて谷口。あ、憶測なんだけど、もしかしたらそれ、私達かも……」

谷口「はぁ?なんで今、生きている俺達の死体が」

朝倉「……可能なの。それ」

谷口「なっ……?」

朝倉「……最悪の可能性なんだけど、でも、やろうと思えば出来ちゃう。長門さんと、古泉君と」

涼子は、一拍置いてその名を言った。

朝倉「未来人の朝比奈みくるさんなら……」

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 15:48:28.30 ID:KUtcd7WdO


谷口「朝比奈先輩……まさか、あの朝比奈先輩が?殺人に加担するなんて」

朝倉「『今の』朝比奈みくるさんならそうかも知れないわ。
でも『未来』の朝比奈みくるさんなら……」

あ、そうか。『未来』の……成長した朝比奈先輩……?
じゃあ、おっぱいは

朝倉「谷口?」

谷口「……え?」

朝倉「……なんか、いやらしい顔してたんだけど」

谷口「ん?そ、そうか?」

朝倉「……まぁ、いいわ。とにかく、最悪の可能性って事で頭に入れて行動したほうが良いと思うの」

谷口「そ、そうだな」



305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:02:09.74 ID:KUtcd7WdO


朝倉「……真剣に考えてるの?殺されるかも知れないのに」

谷口「考えてるって……でも、可能性の一つなんだろ?
それに、最悪の可能性って言うんなら……藤原さんや鶴屋さんやくーたんが、俺達を騙してるって可能性もあるぞ?そっちのほうが最悪だ」

朝倉「……そんな事……あるわけないじゃない……」

谷口「そうだ。悪い事は考えないほうがいいんだよ」

朝倉「でも……」

谷口「……涼子。何が不安なんだ?」



307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:19:45.73 ID:KUtcd7WdO


朝倉「……わからないけど……このままじゃいけないって……本当にわからないけど……」

一体、どうしたんだ涼子。

朝倉「不安……別の何か……」

不安とは別?

朝倉「……虫の知らせ……?」

谷口「はぁ?」

朝倉「ご、ごめん。意味わかんないわよね……でも、該当するような言葉が……」

谷口「……それで、さっきから悪い事ばっかり考えているのか?」


310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:32:11.18 ID:KUtcd7WdO


朝倉「大事な人は、目の前にいるのにね。やだやだ、何を考えてんだろ私」

谷口「もしかして……さっきの涼宮の話を聞いた時に、自分を投影しちまったか?」

朝倉「……う、うん」

谷口「俺もだよ……」

はぁ、と溜め息をついた。

……確かに今まで、涼子と幸せになる事しか考えていなかったし、最悪、長門に捕まっても殺されはしないだろうと心のどこかで思っていた。

二人は死ぬ。

二人は殺される。

……そんな世界に足を踏入れたつもりは全く無いのだが。

冷静に考えれば、涼子はキョンを殺そうとしたんだよな……自分の目的の為だけに。

騙し合い、殺し合いは、実は裏で平然と行わている世界じゃねーのか?



313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:40:12.21 ID:KUtcd7WdO


涼子が不安感を抱くのも、当然と言えば当然か?

自分も一度、騙して殺そうとした訳だし……うあ。


『黒幕は涼子』


脳裏に過った言葉を強制削除。

涼子を疑う意味が無い。無意味。無駄。つうか、別に涼子になら殺されたって構わん。

ったく、やっかいな話をしやがって……だからお前とは関わりたくねーんだよ涼宮。

谷口「……とりあえずさ、鶴屋さんに連絡しようか」

朝倉「あ、そうだね。変な話してごめんね谷口……」

変な話をしたのは涼宮だ。あいつが悪い。多分。

俺は電話に手をかけた。



315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:45:46.85 ID:KUtcd7WdO



『駄目………』


谷口「何が駄目なんだ涼子?」

朝倉「え?」

谷口「え?」

朝倉「なにそれ。私何も言ってないわよ?」

谷口「はぁ?今、駄目って」


『鶴……屋……幕……』

谷口「……つるやまく?」



316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:54:16.68 ID:KUtcd7WdO


朝倉「え……?」


『生徒……会室……急いで……』


谷口「……涼子、この声聞こえてるか……?」

朝倉「う、うん。頭の中に直接……誰なの……?」


『貴女……と……同……じ……お願……い……はや……く……』

谷口「…………」

朝倉「……聞こえなく……なった……?」

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 17:09:56.72 ID:KUtcd7WdO


谷口「涼子……今のはなんだ?誰の声なんだ?」

朝倉「わからない……けど……今にも死んでしまいそうな……それに、鶴屋さんが黒幕って……」

谷口「へ?」

つるやまく 鶴屋まく 鶴屋幕 鶴屋黒幕 ああ、そう言いたかったのかさっきのは。

まぁ、今にも死にそうな声だったし、仕方がな……

谷口「死に……」

……鼓動が早まって来た……今にも死にそうな奴が、俺と涼子の頭の中に直接伝えた事。

駄目?鶴屋黒幕?生徒会室に急げ?あなたと同じ?お願い早く?

朝倉「わ、私、確認してくる……」

谷口「な、何を言ってんだよ涼子!?」



324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 17:36:58.37 ID:KUtcd7WdO


朝倉「だって、あんな死にそうな声……この人……放っておけない……」

谷口「え、演技かも知れねーじゃねーかっ!?それに怪しすぎるぜ!頭の中に直接なんてよ!?
騙してんだよきっと……」

騙し騙して騙されて騙し合い

殺し殺して殺されて殺し合い

既に深く踏み込んでやがる。

朝倉「そ、そこなのよ……頭の中に直接……貴女と同じって言ってたから……もしかして、鶴屋さんの言ってた」

谷口「ワカメのような……」

朝倉「他のヒューマノイド・インターフェース……」



326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 17:57:49.09 ID:KUtcd7WdO


谷口「でもよぉ!?鶴屋さんが黒幕とかありえねーだろっ!?」

朝倉「そ、それはそうだけど……」

谷口「鶴屋さんが黒幕だなんて、可能性は0だ。だったらそんな怪しい奴は無視して」


バンッ!!


突然、部屋の扉が勢いよく開かれた。

朝倉「あ……」

谷口「鶴屋さん……」

330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 18:13:01.41 ID:KUtcd7WdO


鶴屋「なんでかなぁ」

俺達に向かって歩いて来た鶴屋さんは、俯いて少し身体を震わせていた。

鶴屋「なんで、さっさと連絡しないかなぁ?」

そして、ゆっくりと顔をあげ

鶴屋「くーたんも来ないしさぁ?」

長い髪をかきあげた。

鶴屋「ほんっっといらいらするねぇ!?連れて来てたんなら、なんで連絡しないかなぁ!?ねぇ!二人共、聞いてるかなぁ!?」

今まで見た事の無い歪な形相で、鶴屋さんは部屋の壁をドンッと叩きながら叫んだ。

谷口「ひっ……す、すいません鶴屋さんっ!?」

まともに目を合わせられず、俺は直ぐに頭を下げた。

そして、鶴屋さん黒幕の可能性が上がった。



332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 18:25:47.37 ID:KUtcd7WdO


鶴屋「なぁんで私をいらいらさせるかなぁ!?ねぇ!?」

朝倉「ご、ごめんなさいっ!」

涼子も頭を下げたのだろう。

鶴屋「無視されるのが、いっちばんいらいらするよねぇ!?そう思うよねぇ!?」

ドンッドンッと部屋の壁を叩く音だけが聞こえる。

怖い。怖すぎるよ鶴屋さん。

鶴屋「二人とも聞いてるかなぁ!?」

谷口「は、はいっ!」

朝倉「聞いてますっ!」



334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 18:38:13.02 ID:KUtcd7WdO


鶴屋「なんで連絡が遅いかなぁ!?」

谷口「そ、それは」

朝倉「少し、手間取って」

鶴屋「はぁ!?何を手間取るかなぁ!?」

谷口「い、意識を失わせるのに」

朝倉「そ、それで……今、今が連れて来たんです。だ、だから鶴屋さん。そんなに怒ら」

ドンッ

鶴屋「なんで嘘をつくかなぁっっ!?」

朝倉「ひっ……ご、ごめっんな……ひうっ!?」

鶴屋「ねぇ、なんでかなぁ!?なぁんで嘘をついたかなぁ!?怒られたくないから!?ねぇ!?聞いてるりょこにゃんっ!!」

朝倉「ご、ごめんなっごめんなさい鶴屋さ」

鶴屋「あぁいらいらするねぇ!ほんといらいらするっ!謝るくらいならねぇ!?最初っから嘘をつかないで欲しいなぁっ!?」



339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 19:28:51.03 ID:KUtcd7WdO
朝倉「鶴屋さっ……ごめんっ……ひっ……うあっ!?」

パンッパンッとぶたれる音がする。

頭を深く下げているので確認出来ないが、涼子がぶたれているのだろう。涼子……なんで嘘をついたんだ。

鶴屋「まったく、りょこにゃんのくせにさぁ!?ちゃんとあやまってくれるかなぁ!?」

朝倉「ひあっ……鶴屋さんそこはっ!?あっ!?ひううっ!?」

鶴屋「ほらぁ!?ちゃあんとあやまってほしいなぁ!?」

朝倉「ごめんなさい鶴屋さんっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!
だからもうつねらないでっ!?ゆるしてっ!?ゆるしてくださいっっ!?」

つねられているのか涼子。しかしいくらなんでも……

谷口「鶴屋さんっ!俺も謝りますからっ!?涼子を許してやってくださいっ!?」



342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 19:42:08.24 ID:KUtcd7WdO


俺は頭を下げたまま叫んだ。

頼む鶴屋さん。

これ以上は、例え俺達が悪くても、涼子を泣かせるなら……

鶴屋「……ちゃんと反省したかなぁ?」

朝倉「はっ、はいぃっ!」

谷口「もう、こんな事はしませんからっ!」

鶴屋「……りょこにゃん、もう私に嘘をついたら駄目だからねぇ!」

朝倉「ひうっ……あっ……ご、ごめんなさい鶴屋さん……」

解放されたのだろうか。少し安堵した声で涼子が謝った。

鶴屋「まったく……ねぇ?くーたん、こっちに来なかったかなぁ?」

344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 19:44:30.07 ID:KUtcd7WdO


朝倉「い、いえ……」

谷口「き、来ていませんが……?」

鶴屋「……もし、くーたんが来たら直ぐに連絡してくれるかなぁ?」

朝倉「は、はい勿論」

谷口「必ずや直ぐにっ!?」

くーたんが帰って来てない……それでそんなに虫の居所が悪いのか?

いや、いくらそうだとしても酷すぎるんですけど鶴屋さん……。

348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 20:11:50.74 ID:KUtcd7WdO



prrrr



電話の着信音が鳴り響く。

鶴屋「おっそいなぁ!?何をぐだぐだとしてたかなぁ!?」

鶴屋さんだった。電話の向かって、大声を張り上げている。

鶴屋「言い訳はいいからさぁ!?さっさと……」

……顔を上げた俺と、鶴屋さんの目があった。俺もつねられたりするの?

鶴屋「……ちっ」

舌打ちですか。

鶴屋さんは踵を返して、俺達から離れていった。

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 20:19:15.46 ID:KUtcd7WdO


谷口「…………」

多分、電話の内容を聞かれたくなかったと思うのだが、

『はあぁ!?』

『なんでかなぁ!?』

時々、大声を上げて部屋にある壺やら皿やらを、なぎ倒すように破壊していく鶴屋さん。

『その人を知るには、何に対して最も怒るか知れ』だっけ?ごめんミトさん。知りたくないです。怖いです。無理ですってば。

朝倉「谷口……私……確認してくる……」

小声で涼子が呟いた。

351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 20:35:42.37 ID:KUtcd7WdO


谷口「りょ、涼子……?」

朝倉「鶴屋さん……おかしいわよ……だって、さっき私のあそこを……思いっきり捻り上げていたのよ……?」

谷口「あそこ?」

朝倉「クリト……って言わせないでよ?」

谷口「ごめん」

マジかよ。

朝倉「もう……私達の知ってる鶴屋さんじゃないわよ……」

涼子は、鶴屋さんのほうをチラリと見た。

『……にゃはっ……にゃははははははははははははははははっ!!』

笑ってる……鶴屋さん……

朝倉「お手洗いにでも行ってる事にして……じゃあ」

谷口「涼子……あっちが危険だとわかったら……直ぐに戻って来るんだぞ」

涼子「うん……じゃあ……行ってくる……直ぐに戻るから……」

そう言い残して、涼子は姿を消した。

352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 20:52:14.40 ID:KUtcd7WdO


涼子が消えた後も、鶴屋さんは笑いながら電話に向かって叫んでいた。

『そうにょろ!完全に掌握するっさ!』

『あっちの人間を使うっさ!プランD4の資料とあれを渡すにょろ!』

『着物は蒼っさ!そして特注の紅もねっ!にゃははっ♪』

時折聞こえる声に、俺は耳を傾けていた。

やっぱりこの人が……

パタンッ

鶴屋「……ま、想定内と言えば想定内っさ……ここまで来れた事で充分かなっ?にゃは♪」

携帯を閉じて、鶴屋さんはいつもの笑顔を見せた。

いつもの笑顔だが、それはもう俺の知ってる笑顔とは全く違うって事は、直ぐに理解出来た。

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:05:47.34 ID:KUtcd7WdO


鶴屋「にゃはっ♪にゃははっ♪あれ、りょこにゃんは?」

その笑顔で、俺に歩み寄る鶴屋さん。俺は足が震え出していた。

谷口「ト、トイレに……」

鶴屋「ふぅん?さっき思いっきりつねっちゃったからねぇ?
ごめんねぇ?いらいらしてたからさぁ?にゃはっ♪にゃははっ♪」

谷口「は、はい……こっちこそ嘘をついて……すいませんでした鶴屋さん……」

俺はもう一度、ゆっくり頭を下げようとした。

鶴屋「本当にごめんねぇ?」

ぬうっと俺に顔を近付けて来た。

鶴屋「びっくりさせちゃったにょろ。私も少し反省してるからさぁ」

吐息を吹きかけながら、鶴屋さんは呟いた。


鶴屋「ハルにゃん好きにしていいにょろ。りょこにゃんには内緒にするからさっ」




357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:15:05.18 ID:KUtcd7WdO
涼子……そのまま逃げてくれ……この人は……


狂ってる


鶴屋「にゃははははははははははっ!!」

俺の眼前で笑い、そのまま囁いた。

鶴屋「マグロが条件だけどね。にゃはっ♪例えば今みたいにさっ」

谷口「お、俺は……」

鶴屋「中学の時、ハルにゃんの身体目当てで告白したんじゃないかな?直ぐにフラれたけどさっ」

谷口「ち、違います……それは……」

鶴屋「あ、わかったにょろ。

りょこにゃんみたいに手足が無いほうが良いのかなぁ?

ねぇ?谷口ぃ?にゃはっ♪にゃはっ♪にゃはははっ♪」

谷口「い、いい加減に……」



359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:39:28.44 ID:KUtcd7WdO

『しなさいっ!』

谷口「ふんでった……ってうおっ!?」

物凄い力で襟首を捕まれ、後ろに引き寄せられた。

鶴屋「んみゃっ!?」

そのまま鶴屋さんの驚愕した顔が、俺から離れて行く。

『全部……全部貴女だったのね……』

涼子が涙声で呟く。ん?涼子?涼子だと?

谷口「逃げろ涼子っ!鶴屋さんはもうっ……?」

涼子「勿論よ谷口。まだ鶴屋さんに危害を加える訳にはいかないから」

谷口「りょ……う……こ……?」

涼子は。

眠っている涼宮の襟首をを『左手で掴んでいた』

そして『右手でしっかりと』俺の襟首を掴んでいた。

不敵に笑い、しっかりとその『両足で立っていた』

涼子「説明は後。先ずは逃げの一手よ」



366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:53:14.77 ID:KUtcd7WdO


涼子が叫んだ瞬間、目の前が一瞬真っ白になった。

これは……何度もあの練習で経験した、瞬間移動。

そして次の瞬間、俺の目に写ったのは

会長「……成功したようだな」

喜緑「朝……倉……さ……」

四肢の無い書記を抱いた、生徒会長だった。



369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 22:10:02.57 ID:KUtcd7WdO


谷口「涼子……一体どうなってんだ……?」

涼子「黒幕は鶴屋さんよ……最悪の可能性が一つ当たってたの」

谷口「じゃあ、あの時の声は……?」

涼子「喜緑……江美里さん……ひっく……私や長門さんと同じ、ヒューマノイド・インターフェース……」

涼子は涙を流しながら、その喜緑さんを見つめていた。

谷口「…………」

喜緑さんは、生徒会長の腕の中でゆっくりと呟いた。

喜緑「……後は……お願い……します……」

そして

静かに

瞳を閉じた




372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 22:31:44.32 ID:KUtcd7WdO


会長「江美里……っ!」

生徒会長は、動かなくなった喜緑さんを肩を震わせて抱き締めていた。

涼子「喜緑さんは……私の為に……全てを……」

谷口「…………」

会長「……さぁ、行くがいい。これで江美里の望んだ通りになった」

涼子「……はい」

会長「後は君達次第だ……谷口君。そして朝倉涼子。君も北高に籍を置いていたな」 

涼子「は、はい」

会長「……僕達、北高生徒会を失望させないよう、しっかりと行動してくれたまえ」

谷口「会長……わかりました」

会長「……そろそろ、江美里の言う時間か」

涼子「は……い……生徒会長……では、失礼致します」

会長「あぁ……頼んだぞ二人共」

また、目の前が真っ白になっていく……生徒会長と喜緑さんは静かに微笑んで俺達を見送った。

374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 22:58:40.12 ID:KUtcd7WdO
………

……



道路を走る、何十台もの黒い高級車の列。

鶴屋「……プランはM4に変更……うん。資料だけ変更するっさ。
谷口は見つけ次第射殺。りょこにゃんは……あんた達じゃ敵わないっさ」

その車の列は、中心を走るたった一台を守るように走っていた。

その中心を走る車内で、鶴屋はゆっくり携帯電話を閉じて呟いた。


鶴屋「……想定内だったとは言え、結構しょっくだね。最悪の可能性の一つだっただけにさっ。
ま、手は打ってあるんだけどね」



377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 23:09:18.76 ID:KUtcd7WdO


この事態になったら 優先すべきはハルにゃんでも くーたんでもないっさ

みくる

私だけのみくる

四肢を無くして 私を待ってるみくる

みくる みくる みくる みくる

みくるの為に 全部やって来たっさ

私が望む 私とみくるだけの世界っさ

待っててね 待っててね みくる

今頃 キョン君に抱えられているのかなぁ?

いらいらするねぇ

あんな男のどこがいいかなぁ?



380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 23:17:11.61 ID:KUtcd7WdO


でも大丈夫 大丈夫さ みくる

私が 私が 教えてあげるさ

あんな男より 私のほうがみくるを愛してるってさぁ

キョン君はねぇ 私と似ているようで 全然違うねぇ

わかるかい みくる?

みくるを 絶対に愛さないんだよ あの男は ハルにゃんかささにゃんを選ぶんだよ

酷いよねぇ みくるをなんだと思っているんだろうね

あの男には 絶望を味会わせてやるから 絶対にさ



381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 23:24:06.31 ID:KUtcd7WdO


狂わせるぐらいの絶望さ

みくる 一緒に見ようね あの男が狂っていく様を

あの離れで 一緒に見ようねえ

みくるの為に用意したよ

四肢の無いみくるの為に

紅の着物

みくるにきっと似合うさ

私は蒼い着物

二人で見ようねえ 全てが狂っていく様を

あぁ みくる

心配しないで

みくるもちゃあんと 狂わせるからさ

にゃはっ



386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 23:29:50.33 ID:KUtcd7WdO
………

……



生徒会室が見えなくなった次の瞬間

谷口「ここは……」

俺と涼子が、幸せになる為に逃げ出した

長門の部屋だった

涼子「……谷口、私は全部わかったの。
喜緑さんと……長門さんのおかげで」



424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:28:13.61 ID:4QSlgho5O


谷口「……涼子、全部話してくれ……目の前の事態に、少し頭が混乱している」

そう、俺の頭の中が混ざり乱れていた。
それは例えるなら、既に一週間以上経過していると言うのに、終わっていないし意味不明な話だし荒唐無稽で筋もなければ辻褄も合わないしまとまりも無いし。
良くこんなSS(小学生の作文)続けて、他人に迷惑かけてお前何してんの?馬鹿なの?死ぬの?オナニーとか言えば許されると思うか?なんで文才がこんなにもないんだありえない。
自虐すりゃ許されると思うか思いません。マジで謝るし土下座するから許してくれっ!?

涼子「……谷口?」

谷口「んっ!?お、俺は今何を考えてたんだ!?」

涼子「落ち着いて……喜緑さんと長門さんが私に伝えた情報、谷口にも伝えるから」

谷口「うむ。話してくれ」

涼子「話さなくても……今の私なら」

谷口「へ?」

涼子は、俺の額に指をちょこんと触れさせた。

……情報が一気に頭の中に流れ込んでくる……



427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:33:55.79 ID:4QSlgho5O
涼子「……それとも、こっちがいいかな?」

瞬時に原稿用紙が空中で生成される。そこには、これまでの経過が事かまかな詳細と台詞付きで書かれてあった。

涼子「漫画っぽくも出来るわよ」

漫画が出てきた……涼子、絵心ゼロ。

しかし、いいなこの能力。すっげー羨ましい。ああ 酷く羨ましい。くれ。マジでその能力俺にくれ。
つうか、これを世の中の人間が持っていたらもっと世界は……って今はそう言う事を考えてる場合かっ!?

さっきから何を考えているんだ!?自分でも意味不明だぞっ!?

切り替えろ俺!?

428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:35:54.29 ID:4QSlgho5O
そして俺は、起こった全てを言葉ではなく心で理解したっ!?

涼子「……これで、全てが解るわけじゃないけど……」

谷口「そうだな……」

全ての黒幕は鶴屋さん。だが、何故あんな狂人の考えと行動を……藤原さんが死んだ事に関係があるのだろうか?そして何故、藤原さんは四肢の無い橘さんを抱いていたのか

そしてくーたんが生徒会室を襲撃するまでは計画通りだった。そこで喜緑さんと長門さんは瞬時に判断した。

今は敵わない と

抵抗する事を諦め、情報収集に全てを費やした……長門……こんな事まで全部伝えなくても良いと思うぞー?

長門はくーたんの黒く長い髪の毛で犯された。いや、今も犯されている……鶴屋さんの元へ行かせない為に。



429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:40:02.37 ID:4QSlgho5O
つうかまるで触手レイプレイなんすけど。

本当に髪の毛かよ。真っ黒な無数の性器じゃねぇか。先端とか俺のより太いぞくーたん。

長門は犯されながらも、不安定なくーたんから情報を得て、喜緑さんの情報を共有し……って、そんな顔で大好きとか言うんだ長門さん。くーたんすっげー嬉しそう。これやられたら、誰だって喋るわ。

あ、やべぇ、なんか勃起して……

涼子「谷口?喜緑さんと長門さんの情報で変な事を考えないでっ!?」

谷口「す、すまん涼子」


432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:50:19.13 ID:4QSlgho5O
涼子「もうっ……気持ちはちょっとわかるけど」

谷口「え?」

涼子「な、何でもないっ!?た、谷口が一番なんだからっ!?」

意味がわからんぞ涼子。

そして俺達を発見した時、喜緑さんは既に活動停止寸前だった。

「なーんか、邪魔者がいるみたいっさ」

あの時、鶴屋さんはそう言っていた。くーたんが時間をかけていたのは……

それなのに喜緑さんは、残された力を全て使って……そして涼子を……



434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:59:19.23 ID:4QSlgho5O


涼子「喜緑さんのおかげで……私は一年前と殆ど同じよ」

涼子は、眠っている涼宮を抱き上げた。

涼子「先ずは、時間はかかるけど……くーたんにバレないように涼宮さんを隠さなきゃ」

谷口「隠す?」

押し入れとか?

涼子「寝室を使うわね長門さん……」

涼子は涼宮と共に寝室に向かった。

涼子「谷口、ちょっと待っててね」

寝室で涼宮と何をするつもりだ涼子ーっ!?



439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 08:39:44.59 ID:4QSlgho5O


寝室に涼宮と一緒に涼子は入り、扉を閉めた

ガラッ

谷口「はやっ!?」

涼子「え?なんの事?」

谷口「いや、なんでもないっす……」

寝室の中。涼宮は布団の上で静かに眠っていた。

涼子「さて、と。一度長門さんがやってあるからやりやすいけど……くーたんに感知出来ないようにしなきゃ……」

そう言って、涼子は寝室の扉をゆっくり閉め、その場で瞳を閉じた。

涼子「………よし。後は層を造るだけね。谷口、時間かかるから休んでていいわよ」

谷口「一体、何をしているんだ涼子?」

涼子「寝室を空間事、時間凍結。そしてくーたんにバレないように……結界を造るって言えばわかりやすいかな?」

谷口「はぁ……」

涼子「一つ一つのプログラムが甘いって、昔言われちゃったから今度はちゃんとしなきゃね……」



442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 09:34:55.44 ID:4QSlgho5O
涼子「……よし。これで空間閉鎖と情報封鎖は完了……っと」

谷口「終わったのか?」

涼子「うん……これで大丈夫だと思う」

谷口「……で、これからどうするんだ?」

涼子「……いくら私でも、くーたんには敵わない」

谷口「だよなぁ」

涼子「……あの、狂った鶴屋さんを説得なんて、それ無理」

谷口「俺も無理だ」

涼子「……でも、やらなくて後悔するより、やって後悔したほうがいいって言うわよね」

谷口「……そうだな。涼子の言う通りだ。それに、まだ手は残っている」

涼子「涼宮さん」

谷口「そして、キョン」



445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 10:42:00.04 ID:4QSlgho5O


涼子「この二人を私達が揃えば……」

谷口「何とか出来る……」

世界を改変させる

俺達が……いや、全員が幸せになれる世界に

谷口「涼子」

俺は涼子を抱き寄せた。

涼子「谷口……うふふ。初めて谷口を抱き締めちゃった」

谷口「……涼子」

朝倉「……絶対、絶対幸せになろうね」

谷口「あぁ、約束だ」

朝倉「約束ね」




448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 10:51:12.67 ID:4QSlgho5O


そして俺と涼子は唇を重ねた。

涼子の手が俺の頬に優しく触れる。

涼子「んっ……」

そのまま互いに舌を絡めながら、涼子の身体中を優しく触れる。

腕を 細い指を 白い足を

谷口「涼子……」

涼子も俺の身体に優しく触れる。

頭の先からゆっくりと、今まで触れる事が出来なかった分を取り戻すかのように

何度も 優しく 愛しく 互いに触れる

そして涼子の細くしなやかな指が、俺の……



449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 11:03:46.26 ID:4QSlgho5O


谷口「涼子っ……」

涼子「谷口……直接……触れさせてぇ……谷口の……」

涼子は、そのままゆっくり俺のベルトを外し、ズボンのボタンとファスナーを……

本当はこんな事をしてる場合じゃないが……

『そう……してる……場合じゃ……ない……』


谷口「ですよねー……って、この声はっ!?」

頭の中に直接聞こえて来たのは

長門の声だった



450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 11:13:44.25 ID:4QSlgho5O


涼子「長門さんっ!?」

『機関……本部……急いで……んっ……はやく……はぁっ……』

……なんで喘ぎ声出してんだ長門?

『そこに……んくっ……いる……朝倉……はあっ……涼子……今の……貴女なら……んっ……止めらる……』

涼子「長門さん……」

『私は……んあっ……あっ……はぁっ……行動不能……あうっ……はやく……はやっ……あっ……ああっ……』

涼子「長門さんっ!長門さんっ!?」

……長門の声は聞こえなくなった……つうか最後のアレって多分……長門はイッ

涼子「谷口っ!急いで向かうわよっ!」

谷口「お、おうっ!」



453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 11:30:36.09 ID:4QSlgho5O


谷口「……やけに静かだな」

俺と涼子は、一緒に長門の部屋からその機関本部に到着した。

四角いビル群の一画。小さなビルの前。

……静か過ぎないか?

涼子「……空間閉鎖と情報封鎖がされてる……」

谷口「涼子?」

涼子「多分、くーたんの仕業……中がどうなってるか確認出来ないから、わかんないけど」

谷口「くーたんの仕業だって!?」

涼子「だけど……くーたんにしては甘過ぎるわ。私でも、時間を掛ければ侵入出来そう」

どういう意味だ?

涼子「うーん……甘いって言うか、元々あった強固な情報制御空間が脆くなっていってる……」



461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 13:35:34.19 ID:4QSlgho5O


涼子「……そして、くーたんに捕らえられているはずの長門さんが、私達に通信出来た……今の私なら止められると……」

谷口「……?」

涼子「……谷口。もしかしたら私、くーたんを止める事が出来るかも」

谷口「へ?」

あの悪魔のような、くーたんを止める?

涼子「原因がなんなのか、はっきりはわからないけど……目の前の情報制御空間を見れば一目瞭然だわ。
少しずつだけど、徐々に剥がれ落ちるように空間閉鎖と情報封鎖出来なくなって来てる……くーたん自身が……徐々に力を失って行ってるみたい」

谷口「力を失って来ている……じゃあ」

涼子「くーたんの情報連結解除を出来るはず……」

そう言って、涼子は掌を何も無い空間に向けた。

涼子「今から侵入するわ……やっぱり、どんどん脆くなってる……」

462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 13:55:09.74 ID:4QSlgho5O


涼子「長門さんみたいに、最初っから崩壊因子を組み込ませれば楽だけど……幾ら何でもそれは許してくれないみたい」

谷口「…………」

涼子「……もし、失敗したらキョン君だけでも送るから谷口は」

谷口「俺も行くぞ」

涼子「で、でも……」

谷口「涼子、最後まで一緒だ」

涼子「……うん」


初めは、長門からの逃避行だった。それがいつの間にやら、こんな事になっちまった。

様々な運命が絡み合い、そして今、一つになろうとしている。

そんな気がするわけだが、最初っからの目的は何一つ変わっちゃいない。

俺と涼子が、幸せになる事。

二人で約束したからな。これだけはゆずれないぜ。

涼子「谷口……そろそろ侵入出来るわ」

谷口「うっし……行くぞ涼子」

465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 14:28:07.00 ID:4QSlgho5O
………

……



『WAWAWA忘れ物~♪』

キョン「…………」

古泉「…………」

谷口「うぃーっす……って、うぉあっ!?す、涼宮っ!?」

涼子「そ、そんな……やっぱり私のプログラムって甘いんだ……ううっ」

谷口「誰だって苦手な物ぐらいあるさ涼子。気にするな……って、言ってる場合かっ!?」

涼子「そ、そうね谷口」

……人は、絶望のあまり気が狂ってしまう時もあるわけだが、狂ってしまう正にその瞬間に目の前で夫婦漫才をかまされた俺の心情を察してくれると何よりありがたい。

と言うか、何だこれは。一瞬で現実に引き戻されたぞ。何て破壊力だ。しかもつまらない。いやいや、つまらないとかそんな事はどうでもいい。なんで谷口だ。朝倉涼子。なんでお前が一緒にいるんだ。

誰か説明をしろ。さっさとしろ古泉、解説役は得意だろうが。
いいから誰か現状をわかりやすく単純に要点だけ踏まえて説明しろだっつ!?


471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 14:52:20.46 ID:4QSlgho5O


古泉「……彼の言う『だっつ』とは、『~っつーの』『~っての』と類義語であり、一般的には余りと言うか全く仕様されない」

キョン「そこを説明するのか古泉っ!?」

古泉「……すいません。目の前の事態に、混乱してしまい、つい」

気持ちはわかる。わかるぞ古泉。

九曜「谷口──朝倉涼子──どうして──?」

涼子「……うふふ。さぁ、どうしてかしらね?少し、自分で考えてみたらどうかしら?」

九曜「自分で──……」

谷口「……涼子……会長と喜緑さんが……」

涼子「……わかってる……あの二人の為にも……絶対に負けられないわ」

朝倉と谷口は周囲をゆっくり見渡し、俺達の元に近付いて来た。

涼子「とにかく、涼宮さんとキョン君が優勢」

谷口「あの匣の女は誰だ……?」


474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 15:00:58.85 ID:4QSlgho5O


谷口「……ようっ!元気かキョン」

涼子「お久しぶり、キョン君」

キョン「待て二人共。これは何の冗談だ?先ずは説明しろ」

涼子「説明は後。くーたんが不安定な今の内に……」

谷口「安心しろキョン。俺と涼子は味方だ。俺達が来たからには、もう大丈夫だ」

全然説明になってないし、全く安心出来ない。

佐々木「うあっ……殺し……殺して……殺して……」

谷口「…………」

谷口は佐々木を見るなり、匣の蓋を……

佐々木「殺し……殺して……殺し」

パタンッ

閉めた。

キョン「いや閉めるなっ!?」

谷口「普通閉めるだろっ!?滅茶苦茶怖いっつの!?」

477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 15:13:49.33 ID:4QSlgho5O
キョン「怖いとか言うなっ!?佐々木は俺の」

涼子「静かに……気付かれちゃうから……」

キョン「なっ………?」

ゆっくりと地面に落ちていた四本の腕と、四本の足が動き出す。

涼子「空間断裂と対象の肉体構築を同時に……これなら簡単に戻せるわ」

朝倉がそう呟くと、ハルヒと森さんの手足が一瞬でそれぞれの部位に移動し、そして……

森「あ……?」

ハルヒ「…………」

キョン「ハルヒ……」

古泉「森さん……」

谷口「五身合体って感じだな」

黙れ谷口。マジで殺すぞ。

480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 15:22:34.73 ID:4QSlgho5O


涼子「キョン君……この人の手足は……もう……」

キョン「…………」

涼子「それに……あの人も……」

古泉「新川さん……くっ……」

朝倉は、静かに匣に手を触れた。

朝倉「今は彼女も眠らせて置くから……全員、避難して」

キョン「朝倉……お前……」

涼子「私が必ず倒すわ……」

朝倉は、一拍置いて力強く叫んだ。


涼子「くーたんをっ!!」


キョン「……くーたん?」



九曜「──朝倉──涼子──敵性──判定──」

481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 15:30:19.92 ID:4QSlgho5O
ちょっと休憩

489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:04:14.73 ID:4QSlgho5O


朝倉「今のくーたんなら……」

朝倉は無数のアーミーナイフを自らの周囲に生成し

朝倉「勝てるっ!」

そのまま一直線にくーた……いやいや、周防九曜に向かった!

そういやあれで刺されたんだよな俺。本当に死ぬかと思った訳だが、そのアーミーナイフを朝倉は多数同時に操り、周防九曜を攻撃している。

朝倉「これでも……くらいなさいっ!」

あれは、長門の身体中を貫いた……

九曜「う──あ──あ──?」

キョン「朝倉ってあんなに強かったのか……長門や喜緑さんでさえ、一瞬でやられたと言うのに」



491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:10:40.68 ID:4QSlgho5O
谷口「どうやらくーたんが徐々に弱っていってるらしいぜ」

何故にお前がそれを知っている。

しかし、それも頷ける話だな。

生徒会室やさっきまで感じていた威圧感は、今は全く感じられない。

明らかに周防九曜の防戦一方だ。

普通の人間なら致命傷と思われる攻撃を何度も喰らうも、瞬時に身体を再生させて抵抗する辺りは流石だが……。

森「う……まだくらくらする……」

古泉「森さんっ!大丈夫ですかっ!?」

森「ええ……徐々に弱っていってる……そう言いましたか?」

古泉「……まさか、新川さんが撃ち込んだ……!」

森「短針銃……新川、良くやりました……」

キョン「何で新川さんがそんな物を?」

森「託されたのは私です。鶴屋家当主代行から直接」

谷口「鶴屋ぁ!?」

何をそんなに驚く谷口。

494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:16:48.75 ID:4QSlgho5O
>>490
わかりづらくてすまん

ハルヒは朝倉が長門の寝室に凍結

二人で侵入 時間が少しかかる

その間に九曜 キョンが佐々木じゃないならと朝倉のプログラムを破り、ハルヒを出現させ達磨に

朝倉 谷口 侵入した瞬間ハルヒ発見

498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:27:58.90 ID:4QSlgho5O


谷口「な、なんで鶴屋さんが……」

キョン「鶴屋さんがどうしたって言うんだ?」

谷口「鶴屋さんが、今回の件の黒幕だったんだよっ!!」

な、なんだってー!?とでも言うと思うか。アホか谷口。なんで鶴屋さんが黒幕なんだよ。

古泉「大丈夫ですか谷口君?」

谷口「いやいやいやいやマジなんだって!
説明すると長いんだが……あ、そうだ」

谷口は、ポケットからくしゃくしゃの紙を取り出した。

谷口「これに全て書いてあるっ!喜緑さんと長門とのおかげで判明したんだよ!」

キョン「なんだこれは……小説?」

古泉「これは漫画ですか……下手くそな絵ですねぇ」

谷口「涼子が一晩どころか一瞬でやってくれました」

何を言っているんだコイツは。

502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:39:33.56 ID:4QSlgho5O


キョン「まさか……」

古泉「そんな……いや、しかしそう考えれば……」

愕然とした。

今でも信じられん。と言うか朝倉……長門のそんな事まで記さなくても……森さん赤面してるじゃないか。何を考えているんだ?いや、これは森さんに向かって言ったのではないぞ?

古泉「……何故、あの短針銃が遅効性とは知らなかったんでしょうか?」

森「私にもわかりません……ただ、『周防九曜を止める物』としか。
そして彼女は確かにこう言いました。
『止める事が成功したら、直ぐに私の元に』と」

キョン「鶴屋さん…… 」



503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:49:24.07 ID:4QSlgho5O
谷口「とにかくだ。狂っちまったんだよ鶴屋さんは。
恐ろしい顔してたぜ?」


狂っちまった、か……


朝倉「たあああぁぁぁっ!!」

九曜「う──あ──?」

朝倉と周防九曜の闘いは、激しさを増していく。

キョン「もう少し、離れるか……」

谷口「なぁ、キョン」

キョン「なんだよ」

谷口「俺、今回の件が全て上手く行ったら、涼子と結婚するんだ……」

キョン「やめろ谷口っ!いや、いいんだが、口には出すなっ!?」

谷口「なんでだ?心配するなって!涼宮と一緒に式には呼んでやるからよ!」

マジで止めろ。これ以上口にするな。親指を立てるな。死にたいのかお前は。

506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 18:12:25.29 ID:4QSlgho5O
そんな俺の心配をよそに、谷口は朝倉を応援していた。

谷口「行けぇ!俺の涼子ぉ!」

拳を突き上げて叫ぶな。朝倉はお前の何なんだ。

朝倉「ええ、谷口……一気に決めるっ!」

九曜「やらせ──ない──」

涼子「無駄よっ!」

周防九曜が瞬時に放った無数の槍による攻撃を、朝倉は余裕の表情で弾き返した。

九曜「そんな──どう──して──?」

朝倉「どうしてですって……?
確かに、私は長門さんのバックアップ。一年前の私なら、くーたんに全く敵わない。一瞬で四肢切断されちゃうでしょうね」

朝倉「でも、今の私は様々な試練を乗り越えて来た。谷口と二人で乗り越えて来た。そして今、くーたんの前に立っている。これは単なる偶然が起こした結果なんかじゃないわ。これを引き起こしたのは、私と谷口の……」

朝倉は、今時の女子高生には滅多にいない太い眉毛をつり上げて叫んだ!

朝倉「愛の力よ!」

そんな事を言っている暇があったら、さっさとトドメをさせ朝倉。

谷口「そうだ!俺達の愛の力だ!」

お前もいちいち叫ぶな谷口。


510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 18:36:05.42 ID:4QSlgho5O
九曜「愛──愛し──愛死合う──貴女は──知ってるの──?」


朝倉「言ってる意味がわかんないわよ!」

朝倉は、周防九曜の周囲に無数のアーミーナイフを生成しては、次々に叩き込んでいく。

これで時間さえ止める事が出来れば、無駄無駄叫べるなぁ。

九曜「教えて──私は──理解──出来ない──」

余裕なのか、覚悟を決めたからなのか、表情を全く変えない周防九曜は朝倉に話しかける。

九曜「どうして──愛死合う──貴女も──彼が──死んだら──死ぬ──?」

朝倉「……そうね。死ぬわ」

朝倉は、唐突に攻撃を止めた。

九曜「どう──して──?」

朝倉の攻撃により無数のアーミーナイフが四肢の無い肉体に刺さったまま、周防九曜は尋ねた。

朝倉「……愛する人の居ない世界なんて、存在する意味が無いじゃない」

511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 18:41:26.74 ID:4QSlgho5O
>>509
いつの間にか涼子が朝倉になってた まぁいいか

513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 18:56:17.85 ID:4QSlgho5O
それを平然と言ってのける朝倉。少し、谷口が羨ましいと思った。

朝倉「……人それぞれだけどね。
愛する人が突然居なくなったら、自分も死んで天国で一緒になりたいじゃない」

九曜「天──国──?」

朝倉「……そう、あの世とも言うわね。いろいろ呼び名はあるけど」

九曜「──そこは──どこ──私は──『私達』も──そこに──行けるの──?」

朝倉「…………」

九曜「人間は──天国に──行ける──でも──私達は──人間じゃ──ない──私は──行ける──?」

朝倉「……確めて来なさい……情報連結解除を開始」

九曜「──天──国──愛死合った先──私は──」

朝倉「……くーたんが行くのは、きっと地獄よ。じゃあね」

九曜「──地──獄──……」

514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:11:29.54 ID:4QSlgho5O
周防九曜の身体が、下からゆっくりと真っ黒な霧となって消えていく……朝倉の時は、まばゆい光だったのだが。

キョン「朝倉の勝ちだ……」

谷口「本当か?涼子ーっ!」

谷口は、朝倉の元へと走りだす。

やれやれ、やっと終わったか。

古泉「まだですよ。鶴屋さんも居ますし、僕達にはわからない事ばっかりです」

森「しかし、一段落は着いたと思います」

キョン「そうですね……」

朝倉「谷口っ!」

谷口「涼子っ!」

二人は、その場で抱き合った。

周防九曜も、もうすぐ消えてなくなる……残された問題は山積みなわけだが、とりあえず腰を落として幸せな二人でも眺めるとするか。





────キンキュウジプログラムハツドウ────ジェノサイドモード────


519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:31:21.80 ID:4QSlgho5O


ブツンッ

消滅するのを拒否するかのように、周防九曜の頭部が突然音を立てて消えていく肉体から分断された。

九曜「ガ──ア──」

大きく開き、歯を剥き出しにした口で、その頭部は抱き合う二人に向かって……

キョン「谷口っ!朝倉っ!」

朝倉「え?」

谷口「涼子っ!」


ギチュッ




520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:33:12.14 ID:4QSlgho5O
周防九曜は、首の頸動脈を思いっきり噛み千切った。

真っ赤な

真っ赤な血が首から噴き出す

谷口「あ…………?」

九曜「ギ──イ──」

朝倉「いやっ……いやああああああああああああああああああっ!?」

一瞬だった。

谷口は首から鮮血を噴き出し、朝倉はあの時と同じように、まばゆい光に包まれていた。

朝倉「いやっ……いやぁ!?消えたくないっ!?谷口をっ!谷口を治さなきゃぁ!?」

谷口「涼子……すまね……約束……守れ……」

朝倉「いやあっ!いやようっ!?谷口っ!谷口ぃぃぃぃっ!?」

九曜「グ──ウ──」

頭部だけの周防九曜は、俺達を視認すると、そのまま……

523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:40:22.05 ID:4QSlgho5O
………

……



にゃはっ♪にゃははっ♪

似合ってるよ みくるぅ

みくるの為に 特別に拵えたんだよ

綺麗な紅だよ

みくる 私だけの みくる

ずっと一緒にいようね

みくるの為に 針もたぁくさん用意したよ

紅の針だよ

みくるの胸 この紅針だらけにしてあげるね 着物と鮮血と相まって きっとみくるに似合うから

私だけの

『鶴屋さん……貴女は』



525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:50:24.29 ID:4QSlgho5O
鶴屋「……良いとこで来るんだね」

『…………』

鶴屋「……そっか、終わったんだね私は」

『…………』

鶴屋「あーあ……せっかく、ここまで来たのにさぁ」

『…………』

鶴屋「くーたんが居なくなったから、介入する事が出来たかのかなぁ?」

『…………』

鶴屋「じゃあ、ゆきっこも、解放されたんだねぇ?」

鶴屋「あぁ、いらいらするなぁ!?ほんっっといらいらするっ!!」

『…………』

鶴屋「何で何も答えてくれなうかなぁ!?お姉さんはさぁ……んぐっ!?」

みくる(大)「私にはなーんも聞こえません♪
狂ってるのは頭ですか?心ですか?全部ですね♪
でも安心して。お姉さんがしっかり直してあげますから、覚悟してね鶴屋さん♪」

529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:59:22.43 ID:4QSlgho5O
………

……



『朝倉涼子。だから貴女は甘いと言われる』

次の瞬間、消滅する寸前だった朝倉の身体が元に戻り、血を噴き出していたはずの谷口の首は、何事も無かったかのように綺麗な肌色を取り戻した。

九曜「ゲ──エ──」

俺達に向かって来るはずの周防九曜の頭部を、突然現れた少女が制止するようにしっかりと両手で持っている。

長門「これはもう、周防九曜では無い……オートモードで動く、只の人形」



532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 20:07:37.56 ID:4QSlgho5O


キョン「長門っ!」

長門は、周防九曜の頭部をそのまま両手でって長門さん!?

九曜「ゴ──オ──」

長門「思考も目的も何も無い。ただ、目の前の物を虐殺するだけの人形。こんなものは」

長門は両手を万力のように使い、ギリギリと周防九曜の頭部を押し潰し……すまん。これ以上はグロすぎです。見れませんって長門さん。

俺が目を背けた瞬間

ブチュッ

長門「破壊で充分」

物凄く嫌な音と共に、長門はそう呟いた。

534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 20:16:03.20 ID:4QSlgho5O
谷口「あれ……俺、確か……?」

朝倉「谷口っ!」


朝倉は、笑顔で谷口の胸に飛び込んだ。

谷口「涼子……いったいどうなってんだ?」

朝倉「長門さんが……長門さんが助けてくれたのっ!」

谷口「長門が……?」

長門は、二人を見て微笑を浮かべた。

長門「……これで元に戻れる」

キョン「え?」

長門は表情を元に戻し

長門「全ては私の責任。これから説明する」


549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 21:26:23.48 ID:4QSlgho5O
………

……



長門は今まで周防九曜の情報制御空間
(これは仮の名称であり、長門や朝倉が造る空間や、さっきまで俺達がいた空間より格段にレベルが違うらしい)
そこに周防九曜に拉致監禁され……いかんいかん。あの破廉恥な文章は忘れろ。
長門は身動きが取れなかった。いろんな意味で。

しかし、朝倉が周防九曜の情報連結解除を行った時に、やっと解放されたらしい。いろんな意味でも。

長門「……彼女の敗因は、藤原の造った機能制御プログラムを撃ち込まれた時に、私を監禁するのを最優先としていたから」

佐々木の手足を再構築しながら、長門はそう言った。

長門の監禁を最優先……ねぇ。



553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 21:39:19.69 ID:4QSlgho5O
そして佐々木の再構築が終わり、谷口の言っていた通りに長門がその場で立っている人間の額に指でちょこんと触れると……

キョン「藤原……橘……」

谷口「鶴屋さんは……この男が現れなければ……」

『にゃははっ♪それはどうかなぁ?』

谷口「ひっ!?」

みくる(大)「無駄な事は喋らないでと言ったでしょう?」

鶴屋「にゃはぁ♪お姉様が聞いてくれたぁ!私の言う事を聞いてくれたよう?」



555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 21:47:12.35 ID:4QSlgho5O
キョン「うっわ……」

古泉「これは……」

みくる(大)「お久しぶりキョン君。私からも説明します。
あ、その前に長門さん……」

ジャラッ

鶴屋「にゃははぐえっ?」

みくる(大)「鶴屋さんを黙らせてくれませんか?さっきから耳障りで……」

朝倉「首輪……鎖……」

谷口「流石にこれは俺でも引く……」

森「……ふむ」

何を感心しているんですか森さん。

その場にいる殆どの人間がドン引き。いや、本気で引いた。
朝比奈さん(大)そんなキャラじゃないでしょうに。いやいや今更キャラ崩壊の話をしてもだな。

朝比奈さん(大)は、にっこりと微笑んだ。

蒼い着物で、鎖に繋がれた首輪を付けた

四肢の無い鶴屋さんを引き連れながら

558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 21:54:19.99 ID:4QSlgho5O
長門「わかった」

鶴屋「んみゃっ…………?」

朝比奈さん(大)「藤原君と出会わなくとも、狂っていたのでしょうね……鶴屋さんの心の闇を見抜け無かったのは、ずっと側にいた私にも責任はあります。ですから」

ジャラッ

朝比奈さん(大)「きちんと調教します。皆さん、それで許して下さいね♪」

えーっと……うん。まぁ、なんだ。

ここは「そうですね」とでも返答しておこう。



561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:01:35.95 ID:4QSlgho5O
朝比奈さん(大)「その上で、元の世界に戻しますから……」

キョン「へ?」

朝比奈さん(大)「あれ?長門さんから聞いて無いんですか?」

キョン「聞くも何も、話の途中で朝比奈さん(大)が……」

朝比奈さん(大)「やだっ!また私、勘違いしちゃった……あ、でも、無かった事になるから別に良いんだわ」

キョン「無かった事?」

朝比奈さん(大)「はい、『あの時の夏休み』みたいに。涼宮さんを使って、無かった事にします」

567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:15:31.10 ID:4QSlgho5O
キョン「夏休み……」

繰り返されたあの夏休みか

朝比奈さん(大)「『無かった事』にするのが、他の時間平面にも一番影響は少ないの。
この場にいる人間もそうなんだけど、鶴屋さんは……ここで完全に調教して置かないと、無かった事にしても近い将来、また似たような事を考えちゃう」

谷口「ちょっと待てよっ!?」

朝倉「そうよっ!?」

朝比奈さん(大)「……おっしゃりたい事はわかります。でも、これは決定事項なんです」



570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:25:38.18 ID:4QSlgho5O
朝比奈さん(大)「二人とも、落ち着いて聞いて下さい。
この世界が、修正される事が決定事項となったから私が介入出来ました……周防九曜を消滅させた瞬間に」

朝比奈さん(大)「『無かった事』にするまでが決定事項。だから後は、長門さんの仕事……」

長門「朝倉涼子の再構築。そして、二人の記憶を」

谷口「って事は」

朝倉「幸せになれるのねっ!?」



573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:38:36.98 ID:4QSlgho5O


長門「……それは、あなた達次第。この一ヶ月の記憶を完全に復元させるのは」

朝比奈さん(大)「禁則事項なんです」

朝倉「え……?」

長門「……復元出来るのは、限られたほんの少しの記憶と感情」

朝比奈さん(大)「だから、もう一度出会って互いの感情を確認しあえれば」

朝倉「…………」

谷口「…………」

キョン「あ、もしかして、これって……?」

俺が呟きかけた瞬間、朝比奈さん(大)と長門がこちらを振り向いて、人差し指を立てて唇にあてた。


577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:53:39.57 ID:4QSlgho5O
谷口「……つまり、この一ヶ月が無かった事になった世界で、俺と涼子が出合い」

朝倉「……二人の気持ちが確認しあえれば……」

朝比奈さん(大)「……はい。二人は幸せになれます。記憶は殆ど失っても、二人には変わらない気持ちがあるはずでしょう?」

谷口「……涼子」

朝倉「……谷口」

二人は、互いに抱き合った。

朝倉「……もう一度出会ったら、直ぐに私の事を……」

谷口「あぁ、約束だ」

朝倉「約束ね」



582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 23:00:26.51 ID:4QSlgho5O


なんだこれ。

谷口と朝倉が、朝比奈さん(大)と長門に上手く言いくるめられた感が全く拭えないまま、

朝比奈さん(大)「皆さんには申し訳ありませんが、少しだけ眠ってもらいます」

長門「先ずは谷口と朝倉涼子。あなた達二人から」

やっぱりな。

谷口「……涼子、また会おうぜ」

朝倉「……うん。谷口」

そして二人は、静かに眠りに付いた。

朝比奈さん(大)「ふう……なんとかなったわ」

長門「貴女のおかげ」

キョン「……で、長門。朝比奈さん(大)
これは何回目ですか?」



588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 23:09:28.98 ID:4QSlgho5O
朝比奈さん(大)「……何の話ですか?」

キョン「いやいやいやいや」

朝比奈さん(大)「途中から呼び名を変える人には教えませんっ」

すいません。そこは謝ります。しかも本日二回目だし。

長門「……一回目」

お前まで嘘を付くと言うのか長門ー?


597 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 00:07:47.85 ID:uaMjKgurO
長門「知らないほうが良い事もある」

真剣な目で言われてもな。

朝比奈さん(大)「女の子には秘密の一つや二つぐらいあるんだから、無理に聞いちゃ、めっ!」

いやいや、誤魔化されませんって。

長門「とにかく、朝比奈みくる(大)がいる時点で、全ては良い方向に向かう。それだけは確か。世界のルールと言っても良い」

確かにそうだが……

朝比奈さん(大)「キョン君、今は私達を信じてゆっくり眠って」

くそっ……頭がくらくらして来やがった……長門め……いつの間に……

キョン「こ、これだけ聞かせてくれ……あいつらは……幸せになれるのか?」

長門「勿論」

朝比奈さん(大)「当然です」

意識が遠退く中

二人が微笑んだ

谷口と朝倉が幸せになれるって事は、俺達も全員……

601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 00:21:25.37 ID:uaMjKgurO
…………

……



長門「……幸せになって、幸せになればいいなと思いました」

キョン「作文っ!?」

古泉「んっふ、確かにそうですねぇ……こんな荒唐無稽な話」

昼休み、長門に呼び出された俺と古泉は、部室で長門の物語を読まされた。

キョン「……で、これを信じろと言うのか」

長門「そう」

古泉「普通は信じられませんがねぇ……」

そう。こんな話を読まされて、書いてあるのは全て真実だ。無かった事になったので記憶が無いだけだと言われても、普通は信じない。

しかしだ。

突然送られて来た、この招待状。

谷口と朝倉の、結婚式の招待状を手にしている俺と古泉は……



604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 00:31:39.46 ID:uaMjKgurO
キョン「この話が真実だとしてもだ、再開して五日しか立っていないぞ?」

何をそんなに急ぐんだ。しかも、まだ高校生って、朝倉は違うか。

……朝倉の年齢は?

古泉「いろいろ問題はありますがね……」

キョン「まったくだ」

問題と言えば、あの物語の最後はいったいなんなんだ。

全く解決されてない問題が山積みでは無いか。



608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 00:40:37.19 ID:uaMjKgurO
古泉「長門さん。この物語の一番最後なんですが。
佐々木さんや涼宮さんは眠っていたので解りますが、この時、僕と森さんは何をしていたんですか?
会話にも全く加わらず……」

長門「……眠らせる描写を、入れ忘れた」

古泉「んっふ……本当ですか?」

長門「本当」

古泉「……長門さんが言うなら、そうなんでしょうねぇ……わかりました。これ以上は聞きませんよ」

明らかに嘘だよなぁ。

本当にこの物語の通りなら、最後の部分。朝比奈さん(大)と一緒に何を考えて行動していたんだろうか?

何かに焦っているようにも見えるのだが……



614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 01:24:13.71 ID:uaMjKgurO
しかしだ。二人が何をしていたかなんて、確かめる術が一切無い。

キョン「谷口と朝倉は、」

長門「五日前に私の部屋で再開した」

キョン「いや、それは谷口から聞いたよ。
『運命ってあるんだなキョン!俺は涼子と結婚するぞー!』
と電話があったからな。あの時は、女日照りが続き過ぎてとうとう気でも狂ったかと……いや、これはどうでもいいな」

長門「……何を聞きたいの?」

キョン「うむ。単純にそう思っただけだから深い意味はないのだが。
四肢の無い朝倉涼子を再構築して会わせたのか?」

長門「そう。それが二人の感情を引き起こす可能性が一番高かった」

キョン「孕ませと?」

長門「……今回はただ、会って欲しい人がいると」 

646 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 09:57:50.65 ID:uaMjKgurO
うん

649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 10:20:27.59 ID:uaMjKgurO

俺と古泉は部室を出て中庭に移動し、ベンチに腰掛けた。

キョン「……どう思った?」

古泉「納得出来ない部分が多すぎますね」

キョン「だよなぁ」

様々な疑問は確実に残る。

繰り返す世界だとしても、そもそも最初の原因は何だ?何故に唐突に「孕ませて欲しい」から始まる?

古泉「……どれ程繰り返したのか。始まりは何だったのか。とでも考えている所ですか?」

キョン「……まぁ、そんなとこだ」

650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 10:23:17.07 ID:uaMjKgurO


古泉「考えるだけ無駄かも知れませんねぇ。長門さんに嘘をつかれたら、それを暴く手段等、皆無ですよ」

確かにそうだが、だからと言って納得出来ん。

古泉「……仮説。推測。想像の域ですが。藤原と呼ばれる未来人と鶴屋さんは、繰り返す世界と知っていた……何らかの原因で記憶が引き継がれていたんでしょうねぇ」

キョン「何故、そう思う?」

古泉「二人が狂ってしまった原因を考えていました……心の闇を抑えきれず、狂った行動に走らせたのは何だったのか」

キョン「それと記憶の引き継ぎがどう関係する?抜け出せないから狂ったとでも言いたいのか?」

古泉「……軽蔑しないで下さいよ。これは友人、いや、男同士だから言えますが」

キョン「いきなり何の話だ」


652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 10:35:08.50 ID:uaMjKgurO
古泉「ループ世界。全てが一旦リセット出来る世界……そんな世界で、様々な力を持ち記憶を引き継いでいる……何をしても無かった事になるんですよ?そう、どんな事をしても」

キョン「……何が言いたい」

古泉「……もう言わなくても解るんじゃないですか?」

……だとよ。お前ならどうする?

古泉「例えば、貴方ならどうしますか?」

キョン「……知るか。なってみないとわからん」

古泉「んっふ、少し考えましたね?」

キョン「そういうお前はどうなんだ?え?」

古泉「……禁則事項です♪」

キョン「似てない。つまらない。気持ち悪い。人差し指を添えるな。ウィンクするな。無理に裏声を使うな」

659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 11:22:22.78 ID:uaMjKgurO


鶴屋「にゃははっ♪それは、みくるの真似かい?全っ然似てないにょろ」

古泉「あ……」

キョン「……鶴屋さん」

鶴屋「やっほーい♪こんな所にいたんだね!ハルにゃんが二人を探していたっさ!」

手を振りながら、元気な笑顔で鶴屋さんが俺達の元へ歩み寄って来た。

長門に読まされた物語と違い、いつもと変わらない笑顔の鶴屋さん。

……やっぱり、あれは只の創作じゃないのか?
確かに谷口と朝倉が結婚なんて、何かあったとしか思えない訳だが、実際には他にちゃんとした理由があり、先程読まされた物語は長門が適当に考えた……そう考えれば一応は納得出来る。

大体だ。あの狂った鶴屋さんなんて途中から人格崩壊しまくりで、蒼の子みたいだったり緑の双子みたいだったりと、多重人格どころの話じゃ

鶴屋「ん?ちゃんと招待状は届いたみたいだね!」

キョン「え?」



661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 11:31:36.58 ID:uaMjKgurO


鶴屋「にゃははっ♪実はだねっ!谷口とりょこにゃんの二人の結婚式は……」

りょこにゃん?あ、朝倉の事か。

鶴屋「鶴屋流さぷらいず結婚式なのさっ!」

キョン「…………」

古泉「…………」

鶴屋さんには悪いが、全く意味がわかりません。



666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 13:17:45.88 ID:uaMjKgurO


鶴屋「式場から何から何まで、私が手配したのさ。愛し合う二人の為にねっ!」

キョン「……どうして、鶴屋さんが」

鶴屋「うーん。私も最初は、ゆきっこから聞いた時は驚いたけどね」

ゆきっこ……長門から!?

キョン「な、何を聞いたんですか?」

鶴屋「んにゃ?谷口とりょこにゃんが、らぶらぶって事にょろ。他に何かあるのかい?」

キョン「いえ、ま、そうですね。俺も驚きましたよ」

鶴屋「そ、あまりにびっくり仰天しちゃってさっ!これは直接二人に会って、確かめなきゃっと思って」

古泉「で、二人はどうだったんですか?」

鶴屋「いやぁー。それがもう、らぶらぶもらぶらぶのらぶらぶらぶっ!
見ているこっちが、赤面しちゃうぐらいだったにょろ。
そうだねーまるで昔から愛し合っていたみたいにさっ!」

昔から愛し合って……



672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 13:52:25.17 ID:uaMjKgurO
鶴屋「そんな二人を見てると、お姉さんは無性~に応援したくなってね!」

無性に応援って、サプライズで結婚式場から俺達の旅券までっていったい幾らかかっているんだ。いやいや金の問題では無いが。

鶴屋「応援するなら、全力で応援するのが鶴屋家の流儀なのさっ!にゃははっ♪」

全力で応援ねぇ

古泉「あ、そう言えば、涼宮さんが僕達を探していたと、先程仰っていましたが」

鶴屋「そうそう。余興の練習を開始するって言ってたにょろ。二人とも頑張るっさ!」

余興。ハルヒの考える結婚式の余興か。なんだか谷口や朝倉には悪いが、憂鬱な気分になって来た。何をするつもりだハルヒー?



674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:00:54.01 ID:uaMjKgurO
鶴屋「で、二人は結婚相手はまだ決めてないのかなっ?」

キョン「え」

古泉「え」

鶴屋「まだ若いから、谷口やりょこにゃんみたいに今すぐって訳じゃないけどさっ!羨ましいね~特に花嫁候補がたっくさんいる男の子はさっ!」

どういう意味でしょうか鶴屋さん。

鶴屋「なーんてねっ!まぁ、でも、決まったらお姉さんに報告するにょろ。
その時は全力で応援するからさっ!んじゃねーっ♪」

キョン「…………」

古泉「……で、そろそろ決めても良いんじゃないですか?」

キョン「何の話だ」

古泉「んっふ……まぁ、良いでしょう」



676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:16:08.71 ID:uaMjKgurO


キョン「……あの物語が真実だとすると、鶴屋さんの調教は完了って事になるのか?」

古泉「それすらも、何とも言えませんねぇ」

やれやれ、本当に厄介な物語を読ませてくれたもんだなー長門ー。

古泉「考えれば考える程、切りがありませんねぇ。本当に……」

まったくである。



680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:42:08.27 ID:uaMjKgurO
………

……



何だかと言うより、全くすっきりしない気持ちのまま、ハルヒの考えた結婚式に相応しいのか相応しく無いのか良くわからない謎の歌と踊りの余興の練習を終え、俺は一人帰り道を歩いていた。

結婚か……って、年齢的に結婚なんて出来たっけ……確か男性は



「ようっ!久しぶりだなキョン!」



キョン「……谷口」

682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:51:13.59 ID:uaMjKgurO


谷口「待ってたぜ。お前と国木田には、直接報告しようと思ってな」

わざわざ待っていたのか。

谷口「学校のほうはどうだ?」

と言うか谷口。お前学校に来い。何をしているんだ。

谷口「授業よりも食事よりも、もっと大切な事があるのさ」

なんだっけそれ。

谷口「涼子との時間さ!」

うっわー。親指立てるな。なんだその笑顔は。鶴屋さんの言う通り、聞いてるこっちが恥ずかしいだっつ!?



684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:59:43.39 ID:uaMjKgurO


谷口「まぁ、そろそろ学校には行こうと思っていたけどな」

キョン「……結婚するんだってな」

谷口「正確には来年だけどな。年齢的に」

キョン「じゃあ、なんで今やるんだよ」

谷口「涼子がどうしてもって言うからな。それに鶴屋さんも同調してさ。参るぜ。
『日取りと式場手配して来たにょろ』
とか突然言い出したもんな。涼子もめちゃくちゃ喜んでるから断れねーしよ……まぁ結婚式じゃなくて婚約式って事になんのかな?」

キョン「はいはい。勝手に結婚式でも婚約式でもしてくれ」

谷口「おいおい。祝福してくれよ。友人だろ?」



688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 15:12:02.34 ID:uaMjKgurO


そんな事よりだ。


キョン「なんで朝倉と一緒になろうと思ったんだ?」

谷口「それがよ……良くわかんねーだよな正直」

良くわからんのに、法的に無理な結婚式をしようとしてるのか谷口。

谷口「俺の推測だがよ。俺と涼子は前世で一緒だったんじゃねーかと」

いきなり何を言い出すんだこいつは。頭でも打ったのか。

谷口「……本当に良くわかんねーんだよ。互いによ。
長門に呼び出されて涼子と再会した瞬間、二人とも涙が止まらなかったんだぜ」

キョン「…………」



690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 15:16:44.03 ID:uaMjKgurO


キョン「……どこで?」

谷口「長門の部屋だ」

キョン「……朝倉ってどうだった?」

谷口「何が言いたいんだ?」

キョン「いや、腕とか、足とか」

谷口「涼子の腕や足がどうかしたのか?」

……この辺は情報操作してあるのか?

キョン「すまん。何でもない」

谷口「意味がわかんねーよ」



692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 15:24:05.21 ID:uaMjKgurO


キョン「でも、お前は入学当初から朝倉チェック済みだったじゃねーか」

谷口「あー、そう言うのじゃないんだよ。
何て言えば良いのかな。
一緒に様々な困難を乗り越えて来て、やっと再会したみたいな?もう号泣しながら抱き合ってた」

キョン「…………」

谷口「それに、長門の紹介した女占い師も言ってたしよー。二人は前世で一緒だった可能性があるって」

キョン「……は?」

谷口「巨乳の」

キョン「…………」

あの人、何をしているんだ……

697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 15:40:06.34 ID:uaMjKgurO


谷口「こんな不思議な事ってあるんだな……」

ハルヒが耳にしたら喜ぶぞ。

谷口「涼子も俺と全く同じ感情を直ぐに抱いたらしくてよ。
もう、それからはずっと二人の時間を過ごしてる」

キョン「……そっか」

谷口「まぁ、そう言う訳だ。落ち着いたら涼子と一緒に学校来るからよ。
またヨロシクな」

キョン「ああ」

谷口「結婚式には必ず来いよ。じゃあな」

キョン「……谷口」

谷口「なんだよ」


キョン「……おめでとう。朝倉にも、そう伝えておいてくれ」

谷口「……おう」

707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 17:09:36.64 ID:uaMjKgurO

月日のと言うのは瞬く間に過ぎて行く。
八日間も謎の作文を書……いやいや待て待て。何を口走ろうとしているんだ俺は。自分でも意味不明だ。
ええっと、そうだ。この八日間

「時間がないんだからねっ!」

ハルヒの鶴の一声で全員寝る間も惜しみ、余興の為の謎の歌と踊りを練習し続けた。
日常生活の合間合間にも挑んだこの八日間が、後々の人生の糧となるかどうかは疑問に尽きない所ではあるが、なると信じたい所でもある。ならないか。

そんな訳で、結婚式当日。

みくる「わぁ……」

バージンロードを歩む、純白のウェディングドレスに身を包んだ朝倉涼子。
真っ先に目を輝かせたのは朝比奈さんだった。


ハルヒ「素敵ね……」

長門「…………」



709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 17:11:06.04 ID:uaMjKgurO


そして谷口。

緊張してガチガチになっているのだろうと思いきや、真剣な面持ちと堂々とした態度で朝倉を待っている。

国木田「へぇ……」

そんな谷口に感心する国木田には、果たしてどちらの衣装が似合うかなんて心の闇は無かった事にしよう。

そして、二人は指輪を交換。

ハルヒ「綺麗な指輪ね……」

みくる「いいなぁ……」

長門「…………」

生成するな長門。はめるな。誰と交換するつもりだ。



710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 17:13:07.58 ID:uaMjKgurO


『谷口──あなたは、朝倉涼子と結婚し、その健やかなときも、病めるときも、つねにこれを愛し、これを敬い、これを慰め、これを重んじ、これを守り、その命の限り、固く節操を守ることを誓いますか? 』

谷口「はい、誓います……約束……しましたから……」

ん?谷口、何を言っているんだ?神父が困惑してるぞ。


涼子「谷口……約束……したね……」

谷口「涼子……やっと果たせた……幸せにするって約束を……」

涼子「うん……うん……」

涙を流したまま二人は抱き合い、神父の言葉を待たずに誓いの口付けを交わした。



712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 17:28:42.26 ID:uaMjKgurO


バージンロードを歩く二人を、全員が祝福する。

祝福の花びらが舞うなか、涙を流しながら寄り添って歩く二人は、本当にこの瞬間を待ち望んでいたのだろう。

それがどれくらいの年月かは知るよしもないが──

本当に幸せそうに歩く二人を見て、ハルヒ達は羨望の眼差しを送っていた。

羨ましいと──

朝倉が後ろを向いてブーケを投げる。

受け取る者だけでなく、この場にいる全員が幸せになりますようにと──

願いを込めたブーケは、祝福の花びらと共に宙を舞った。



713 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 17:29:27.15 ID:uaMjKgurO
谷口 朝倉 おはり

714 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 17:30:52.44 ID:uaMjKgurO
投げっぱなしをどうするかが問題だ

719 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 17:37:25.22 ID:uaMjKgurO
>>718
一番の問題である

721 名前: ◆HLR2b16n72 [sage] 投稿日:2009/11/04(水) 17:38:18.27 ID:uaMjKgurO
少し 考える

742 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 22:33:40.57 ID:uaMjKgurO
まだあった ちょっと思い付いた 自分でも全っ然納得出来ないが、風呂敷無理矢理畳む

749 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 23:45:36.24 ID:uaMjKgurO
マジで蛇足 穴だらけ でもそれは最初っから 強制的に終わらせる

751 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 23:52:44.52 ID:uaMjKgurO
………

……





現世は夢──夜の夢こそまこと──



朝比奈さん(大)「キョン君……幸せな二人を見て、納得してくれればいいんだけど」

長門「そして森園生……」

森「う……」


ドサッ


朝比奈さん(大)「……納得のいかない顔をしてますね。古泉君」

古泉「当然ですよ。何ですかこの茶番劇は」

朝比奈さん(大)「茶番劇。確かにそうです。否定は致しません」


長門「茶番劇と言うのも烏滸がましい……」

753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 23:56:17.29 ID:uaMjKgurO
古泉「無かった事になるなら、教えてくれても良いんじゃないですか?それすら無かった事になるんでしょう?」

朝比奈さん(大)「だったら、最初から知らなくても変わらない……って、古泉君、全っ然駄目だって顔しないで下さいよぅ」

古泉「そういうの、やめてくれませんか?」

朝比奈さん(大)「真実の赤で話しましょうか?」

古泉「冗談はいい加減に」

長門「その冗談こそが最初の始まり」

古泉「……孕ませて、ですか」

長門「そう」

朝比奈さん(大)「あ、長門さん。その前に私を、昔の私に戻してくれません?」

長門「どうして?」

朝比奈さん(大)「いろんな意味で♪」

長門「…………」

みくる「ふう、やっぱりこっちがしっくり来ますぅ。古泉君も、古泉一姫ちゃんになっちゃいますか?」

古泉「仰っている意味が解りませんよ……」


754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:01:04.52 ID:uaMjKgurO
みくる「えっと、本当に冗談のつもりだったんです」

古泉「冗談と言うのが、良くわかりませんが?」

長門「元々、この世界は彼と朝倉涼子が幸せになる世界だった」

古泉「…………」

長門「その世界は、本当に素晴らしくて二人が幸せになる世界」

古泉「…………」

長門「私は考えてしまった」

古泉「…………」

長門「これがもし、谷口と四肢の無い朝倉涼子なら幸せになれるのかどうかと」

古泉「……で、この世界を構築したと」

長門「再構築。二人が、その幸せな人生を全て全うしてから」

古泉「それは心情的にですか?」

長門「それがルール」

古泉「……納得出来ませよ。全っ然納得出来ません」



755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:06:39.45 ID:bqqXN3SDO
長門「真実」

みくる「ながとまみ♪じゃなくて、しんじつ♪ですからね♪」

古泉「……ちょっと苛々して来ましたので、そのムカつく胸を殴らせてくれませんか?」

みくる「ふええ?」

長門「私も手伝う。以前からその胸は苛々していた」

みくる「ちょ、ちょっと長門さんまでぇ?冗談は止めて下さいよぉ」

古泉「ええ、冗談です。
少し気持ちの整理が付かなくてね……そちらの言う冗談を僕も言ってみた訳ですが。
……冗談……冗談が始まり……ふふっふふふ……怒りを通り越して笑うしかありませんねぇ……本当に茶番劇ですら無い……」

長門「……申し訳ないと思っている」

みくる「知ってて止めなかった、私にも責任があります……」

古泉「……しかし何故、ここまで酷くなったんですか?只の冗談なら、ここまで酷くならないでしょう?」

みくる「始まりの部分は納得してくれたんですね……」

古泉「かなり無理してますが」



757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:12:14.85 ID:bqqXN3SDO
長門「そこに、藤原と呼ばれる未来人が介入して来た」

みくる「本来なら、ここまで酷い世界では無かったの」

古泉「……この世界に介入……理由は?」

長門「この世界が、何度も繰り返した世界になる可能性を持った世界だった為。結果、藤原と呼ばれる未来人の思惑通りに何度も繰り返した。私の責任」

古泉「……先程の再構築、ですか」

長門「そう。藤原と呼ばれる未来人は、自らの目的の為に、この一見何の変哲の無い世界に目を付けた」

古泉「かなりオカシイ世界ですがねぇ。ああ冗談で再構築した世界でしたか」

長門「そう。目を付けたのは、再構築。私は再構築の際に、この世界を限界まで最小化。何時でも崩壊出来るように、様々な因子を盛り込んで置いた」

みくる「つまり、街単位の小さな世界です。谷口と四肢の無い朝倉涼子の恋物語なんて、他の世界に影響を残す前に無かった事にしてしまうのが一番ですから」

古泉「例えば?」

みくる「一番簡単な方法としては、第一部完!俺達の旅はこれからだ!で意識を失わせてスタッフロールみたいな?」

古泉「解りやすいですねぇ」



760 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:21:52.60 ID:bqqXN3SDO
長門「でも、そうはならなかった。藤原と呼ばれる未来人はその先を強制的に作り、繰り返す世界を構築した」

古泉「強制的に……繰り返す……ですか」

みくる「はい。長門さんの再構築した世界……元のキョン君と朝倉涼子が幸せになる世界にすら関わりの無かったイレギュラーの存在」

長門「くーた……周防九曜。彼女を二人に関わらせた。これは、繰り返す中で谷口と朝倉涼子が私の部屋で出会うのが九割を越える」

古泉「今、くーたんと言いかけましたね?」



762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:29:26.02 ID:bqqXN3SDO
長門「……これは今、全く関係無い」

古泉「いえいえ、過去の話にから現在の話になるのあれですが」

みくる「古泉君の言いたい事はわかります……聞きたいですか?」

古泉「んっふ。長門さんの意外な一面ですからねぇ……是非とも」

長門「一姫」

古泉「?」

長門「古泉一姫になるのが条件」

古泉「構いませんよ……って、もうなっちゃいましたか」

みくる「やっぱり可愛い……」

古泉「……想像するに、貴女と長門さんは様々な世界を修正して来たんですねぇ……だから女体化なんてものに異常に執着する」

みくる「御名答ですぅ」

763 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:37:09.35 ID:bqqXN3SDO
古泉「んっふ、無かった事になるなら、姿形等どうでも良いですよ」

長門「私は、何度も周防九曜を二人に介入させないようにした。それは全て成功する事は無かったけれども」

古泉「ふむ……周防九曜の長門さんへの執着はそこですか」

長門「……正直、私も少し楽しんだ。くーたんの髪の毛は、私の想定外の行動を取る」

古泉「んっふ……あの時も何本か……いえ、束で残してたんですかねぇ?長門さぁん?」

みくる「ふわわ、一姫でそんなサディスティックに……きゅん☆きゅん☆」

古泉「……勿論、他に理由はあると思いますが」

みくる「川原で闘う二人!でも終わった後、夕陽をみながら芽生えたのは友情じゃなくて愛情みたいなっ!?しかも歪な愛っ!」

古泉「……ちょっと胸を殴らせて下さい」

みくる「冗談ですよぉ」

長門「私は、先程のは冗談では無かった。そして今も」

古泉「…………」

みくる「………ふぐえっ!?」



765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:42:05.24 ID:bqqXN3SDO
みくる「痛いですぅ、痛いですぅ」

古泉「……で、繰り返すと言うのは?」

長門「方法は誰でも思い付く。涼宮ハルヒ」

古泉「……しかし、崩壊の可能性もあるのでは?」

長門「藤原と呼ばれる未来人は、私と真逆の事をした」

古泉「どう言う事です?」

長門「崩壊因子を全て取り除く」

みくる「禁則中の禁則です。全ての物は、崩壊があるからこそ存在出来る」

古泉「……ふむ。永遠に繰り返す世界ですか」

みくる「リセットする方法としては、涼宮さんに夢だと思わせる事が多かったですね」

古泉「夢……現世こそ夢。夢こそまこと、ですかねぇ」

長門「結果、期間は短くしなくてはならない」



768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:48:53.70 ID:bqqXN3SDO
古泉「ふむ……崩壊の無い永遠に繰り返す世界ですか」

長門「そして、そこには涼宮ハルヒが存在する」

古泉「成程……藤原と呼ばれる未来人。
彼は、崩壊の無い永遠に繰り返す世界を手に入れたかった。ある目的の為に」

長門「そして、その目的は涼宮ハルヒの持つ能力の完全なる解析」

古泉「神に等しい能力を解析するには、宇宙人、未来人、超能力者でも困難ですからねぇ……様々な勢力がすくみ合い、涼宮さん自信に手を加える等……だからそれをする為には、繰り返す世界で無ければならない。それ以外では一度の失敗も許されませんからねぇ」

みくる「記憶を完全に引き継ぎつつ、永遠の時間の中で研究をする……長門さん。一姫ちゃんに、謝らなくてはいけないんじゃ無いですかぁ?」

古泉「あの夏休みですか……構いませんよ。結局、出来なかったんでしょう?」

長門「あれでは、私でも無理。約五百年かけたが……」

770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:53:55.89 ID:bqqXN3SDO
古泉「しかし、藤原と呼ばれる未来人は成功した。研究を続ける事に。
……もしかして他にも、こういう世界が存在するんですか?」

長門「……それぞれの世界は、例えるなら無限の泡。大なり小なりの泡が無限に生まれ、そして消えていく」

みくる「シャボン玉のほうが私は好きかな。直ぐに弾けて消えてしまう世界もあるけど」

長門「だがそれがいい」

古泉「……つまり、弾ける事の無いシャボン玉」

みくる「あくまでも例え例えですけどね。世界は考えている以上にもっと複雑」

古泉「んっふ、それはわかりますよ」

みくる「その無限個のシャボン玉の中で、自身が介入出来て、永遠に弾けて消える危険も無く神を自由に調べる事の出来るシャボン玉」

長門「それは、世界が無限個の泡を生成し始めた中でもレアケース。私達が存在しない泡でも、滅多に見られない」


771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:56:59.63 ID:bqqXN3SDO
古泉「完全に解析して、どうするつもりだったんですか?」

長門「人から道具へ。これは退化では無く、情報統合思念体の求める進化の可能性の一つ」

みくる「もしもボックス!だけど生きているみたいなっ!?」

古泉「……今回は殴ろうと思いませんねぇ。それで四肢切断……最終的には脳だけでしょうか」

みくる「ご想像にお任せします」



772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 01:10:44.75 ID:bqqXN3SDO
古泉「ふむ……それで鶴屋さんと出会った。当然ですねぇ。鶴屋家は崩壊因子の固まりですからね。全てを終わらせる殺し屋ぐらい、用意出来ますから」

みくる「何の話ですかぁ?」

古泉「んっふ、何でもありませんよ。そこで鶴屋さんは同調し……狂ってしまった」

みくる「それは違いますっ!鶴屋さんは、最初は止めようと」

古泉「……朝比奈さん。それは心情的に?」

みくる「真実の赤で語ります。鶴屋さんは類いまれなる直感力で、藤原に近付きました。この世界を崩壊させる為に」

長門「しかし、彼女には誤算があった」

みくる「記憶の引き継ぎ。藤原君は、必要な情報だけを引き継げば良かった。
しかし、鶴屋さんは全ての引き継ぎを選択しました。結果、狂ってしまったのだけれども……心の、心の根っこに残してました。崩壊因子を残す事を」

長門「それが谷口と朝倉涼子。そして短針銃」

みくる「そして……橘京子との歪んだ愛」

古泉「……結果、藤原と周防九曜。そして自分自身を止める事に成功した……」

長門「それも初回での成功。これは彼女の直感力による物。使い方次第では、進化の可能性の一つとなる」

774 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 01:29:49.29 ID:bqqXN3SDO
みくる「鶴屋さんは狂いながらも、ベクトルはこの世界の崩壊へと向かっていました」

長門「そして……歯止めの効かなくなった狂った心。その心で朝比奈みくる。歪んだ心だとしても、貴女を心の拠り所とした」

みくる「……わかっています。わかっているからこそ、私は調教し調教されなきゃいけないの。この姿で……それが修正者の努め。
これは、狂ってしまった鶴屋さんとそれに影響された……一姫ちゃんなら、もうわかりますね?」

古泉「……確かに、彼や谷口君や朝倉涼子さん、森さんには話せないし、居合わせてはいけない……成程、成程。
どうあがいても納得出来ない方の為ですか。苦労しますねぇ」

みくる「佐々木さんの場合は、どんな事をしても影響が残っちゃう。それなら、少しでも……間違っている事はわかりますが、私達にはそれしか方法が……」



775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 01:37:19.00 ID:bqqXN3SDO
古泉「んっふ……僕を女体化したのも、全て修正者として計算の内ですか?」

みくる「禁則事項です♪」

古泉「こうやって、ウィンクしながら人差し指を唇に……魔性ですねぇ。いろんな世界でやって来たんでしょうね。いつかやってみたい物です」

長門「では、佐々木を起こし、藤原を無力化した上で蘇生させる」

みくる「佐々木さんの心の傷は計り知れません……この世界を崩壊に導いたとしても、鶴屋さんが狂った心で佐々木さんに行った事は、とても許される事ではありません」



777 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 02:04:32.10 ID:bqqXN3SDO
古泉「修正……調教……復讐……一つだけ仰っても宜しいですか?」

長門「構わない」

古泉「貴女達も、充分狂っていますよ」

みくる「それに付き合う古泉一姫ちゃんもねぇ。勿論、最後まで付き合ってくれますよねぇ?」

古泉「当然ですよぉ」

みくる「では、始めましょう。先ずは復讐による破壊と絶望を」

古泉「それをゆっくりと調教し」

長門「安定へと修正する」

みくる「鶴屋さぁん?気分はどうですかぁ?頑張って崩壊まで持っていったのにこの仕打ちはぁ?」

鶴屋「仕方ないと納得すりしかないねぇ、お姉様ぁ。
でも、楽しみでしょうが無いなっさぁ?これから修正まで、どんな狂った世界が繰り広げられるかなぁ?にゃはあっ!?もしかしてこれもぜーんぶゆきっことお姉様の手の平の上の出来事かも知れないねぇ!?にやはっ♪にゃははっ♪
にゃははははははははははははははははははははははははは♪」



778 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/05(木) 02:06:57.97 ID:bqqXN3SDO
おはり

784 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/05(木) 02:30:59.20 ID:bqqXN3SDO
最後に書きたい

最初は別のスレの改悪。そして書きたい物を書き連ねて、それを文才の無い俺がまとめただけの駄文糞文オナニー

それを読んでくれた人、保守、支援、批判、絵を書いてくれた人、まとめてくれた人、その他のいろいろな人、全員に言いたい。

ありがとうございました。マジで土下座したいこの気持ち。

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